21世紀は環境の世紀だといわれています。また、世紀の半ばには多くの地下資源が涸渇すると予測されています。このような時代のなかで、生物資源学は「環境と資源」の問題を同時に解決していく学問体系として、注目を集めています。
私たちの学部は、1987年に農学部と水産学部を統合して、全国に先がけて生物資源学部という名前をつけました。それによって、「山の頂きから海の底まで」のすべての分野を教育・研究の対象とする、全国でも唯一の学部となりました。
さらに、2000年には資源循環学科、共生環境学科、生物圏生命科学科の3学科が生まれました。当時は一般になじみのない学科名でしたが、地球温暖化、生物多様性、資源と廃棄物、里山など身近な環境、食料や健康などの問題が急速に深刻化するなかで、学科名に示される課題が改めて切実なものとなっています。
そのような問題の解決にあたって、私たちは自然をベースにしたダイナミックな考え方をしています。たとえば、「資源循環」については、日本の法制度では製品のリサイクルということですが、私たちの学部では光合成による太陽エネルギーの固定を原点に据え、バイオマスの利用や微生物の活用を進めています。
また、私たちの学部は、90年近い歴史のなかで、現場に即応した実践的な教育という伝統を引き継いできました。そのため、1年生も紀伊・黒潮フィールドサイエンスセンター(農場、演習林、水産実験所)や練習船勢水丸で、体験演習をします。自分の身体で自然と直接に向き合うことが大切だと考えるからです。
自然を愛し、自然を探求しながら、自然を生かした暮らしのための科学や技術を追究することを望んでいる人たちと、共に考え、学ぶことを、願っています。