三重大学動物実験憲章&生物資源学部動物実験指針

三重大学動物実験憲章

Charter for Animal Experiments in Mie University

平成元年12月20日 制定

動物実験は、科学研究方法の中で重要な位置を占め、今後ともその必要性は高まるものと思われる。一方、動物実験に当たって、動物福祉の立場からの適切な配慮が強く求められてきている。動物福祉は動物愛護とは異なり、動物権利(animal rights)を認め、人間はそれを守る義務があるという考え方が根底にある。このような動物福祉の思想を支持する人々は、1970年以降全世界的に着実に増えてきている。我が国では、「動物の保護及び管理に関する法律」(昭和48年法律第105号)が 制定され、「実験動物の飼養及び保管等に関する基準」(昭和55年総理府告示第6 号)が示されてきたところである。さらに、動物福祉への配慮の国際的な強調の状況を受けて、学術審議会においては昭和62年1月26日、「大学等における動物実験の実施に関する基本的な考え方」を報告した。次いで、昭和62年5月25日付けで、文部省学術国際局長より各大学長宛に「大学等における動物実験について」の通知が出された。その中に、動物実験指針の作成および動物実験委員会の設置の設備が示されている。

三重大学においては以下の態度と方法をとるものとする。動物実験に当たっては、洗練(refinement)、軽減(reduction)、および置換 (replacement)を全学共通の基本理念とする。動物実験を計画し、実施する際に遵守 すべき事項については各学部の特殊性を生かした動物実験指針をそれぞれ作成し、科学的にはもとより、動物福祉の観点からも適正な動物実験の実施を促すよう努める。




三重大学生物資源学部動物実験指針

Guidelines for Animal Experiments in Faculty of Bioresources, Mie University


平成2年4月1日 制定


1 目的

この指針は、三重大学生物資源学部において動物実験を計画し、実施する際に遵守すべき事項を示すことにより、科学的にはもとより、動物福祉の観点からも適正な動物実験の実施を促することを目的とする。

2 基本理念

動物実験に当たっては、洗練(refinement)、軽減(reduction)、及び置換(replacement)を基本理念とする。

3 適用範囲

この指針は、本学部において行われる脊椎動物を用いた全ての実験に適用される。これ以外の動物を用いる実験についても、この指針に準拠するものとする。

4 施設、設備、組織の整備

本指針の趣旨にそった動物実験の場及び飼育設備を整備すると共に、その管理、運営に必要な組織体制の整備が必要である。学部長及び附属施設長は、これらの整備に努力しなければならない。

5 実験計画の立案

一 実験者は、動物実験の範囲を研究目的に必要な最小限度にとどめるため、適正な供試動物の選択、実験方法の検討と共に、適正な実験動物飼育環境等の条件を確保しなければならない。以上の点を含め、実験計画の立案に当たっては、実験動物の専門家の意見を求めたり、必要に応じて動物実験委員会の助言等を求め、有効、適切な実験を行わなければならない。

二 実験者は、供試動物の選択に当たって、実験目的に適した動物種の選定、実験成績の精度や再現性を左右する供試動物の数、遺伝学的品質、微生物学的品質、飼育条件等を考慮しなければならない。

6 動物の検収と検疫

一 実験者は、動物の発注条件、異常、死亡の有無等を確認し、また、動物の状態、輸送方法、輸送時間等も確認するものとする。

二 実験動物の検疫は、基本的には実験者の責任においてなされるべきものであるが、施設の管理者又は熟練した獣医師等に依頼することができる。

7 実験動物の飼育管理

一 実験者及び施設の管理者は。協力して適切な施設、設備の維持、管理に努め、適切な給餌、給水等の飼育管理を行わなければならない。

二 実験者及び施設の管理者は、協力して実験中の動物についてはもちろんのこと、実験施設への導入時から不要時に至る全ての期間にわたって、動物の状態を子細に観察し、適切な処置を施さなければならない。

8 実験操作

実験者は、麻酔等の手段によって、動物に無用な苦痛を与えないように配慮しなければならない。このため必要な場合には、動物実験委員会あるいは施設の管理者の判断を求めるものとする。

9 実験終了時の処置

実験者は、実験を終了した動物の処置については、「実験動物の飼養及び保管等に関する基準」(昭和55年総理府告示第6号)に定めるところに従うものとする。
ただし、この作業の終末処理を施設の管理者に依頼することができる。

10 安全管理等にとくに注意を払う必要のある実験

物理的、化学的に危険な物質あるいは病原体等を扱う実験動物においては、人の安全を確保することはもとより、飼育環境の汚染により動物が障害を受けたり、実験結果のデータの信頼性が損なわれたりすることのないように、十分に配慮しなければならない。
なお、実験施設の周囲の汚染防止については、施設、設備の状況を踏まえつつ、特別の注意を払わなければならない。

11 動物実験委員会の設置

一 動物実験の指針が適正に運用されるため、動物実験委員会を置く。

二 動物実験委員会に関する事項は、別に定める。

附 則

この指針は、平成2年4月1日から施行する。