冬型の気圧配置



 小学生の頃、夏休みの宿題などで新聞の天気図のスクラップをしたことがある人もいるでしょう。最近では、こうした天気図もインターネットやFaxで簡単に取り出せるようになりました(例えば、防災気象情報サービス日本気象協会)。
 テレビの天気予報などを聴いていますと「冬型の気圧配置が日本海側に雪を降らせる」などという表現をよく耳にします。冬、シベリアで寒気が蓄積されると、これが周期的に日本付近へ吹きだしてきます。このシベリア寒気団は、北海道の東海上の低気圧へ向かって流れていきます。つまり北西からの季節風(モンスーン)が卓越するのです。これが「冬型の気圧配置」に伴う季節風であり、大陸の高気圧と太平洋の低気圧の気圧差が大きいほど激しい風となります。



 大陸からやってくるこの季節風は湿度が低く、乾いています。しかし、日本海を北上する温かい対馬海流上空を通過する際、大量の水蒸気を吸収します。これが日本列島上空で雲となり、大量の雪を降らせるのです。このとき発生する雲は、積雲です。つまり、夏に雷や夕立を降らせる雲(入道雲の子ども)と同じものです。冬の日本海では、雪だけでなく、雷の発生する確率も高くなるのです。
 左は、典型的な冬型の気圧配置に恵まれた2002年2月19日のひまわり画像と天気図です。太平洋低気圧の発達、筋状の雲、南北に細く入った等圧線など、冬型の気圧配置の特徴がよく見られます。こんな日は、内陸の山沿いでは吹雪が続きますので、注意が必要です。

 
戻る