
紀伊・黒潮生命地域フィールドサイエンスセンター(FSセンター)は、三重大学大学院生物資源学研究科の附帯施設演習林、農場、水産実験所の3施設に、附属練習船「勢水丸」を加えた総合実験・実習組織です。 フィールドを中心とした教育・研究および地域貢献を目的とし、各施設の立地特性を生かしたまさに「山の頂きから海の底まで体験・研究できる」組織として、総合フィールド科学の教育・研究・地域貢献拠点として機能しています。
科学の分野や研究の細分化に伴い様々な科学技術が発展し、我々はその恩恵に預かるようになった反面、しばしば物事をマクロな目で見たり実体験することが疎かになっています。 特に、生物資源学研究科のような応用科学に関する教育や研究をミッションとする部局においては、これから社会で活躍する学生に物事をミクロとマクロの両面から考えさせる教育が必須と考えています。 また、座学だけに頼った応用科学の教育には限界があり、実物を「見て、触って、考えさせる」体験が、それぞれの学生がもつ能力を将来より大きく引き出すためには必要です。 一方、地域の住民の方々においても、自然との触れ合いや食育、環境教育など、マクロなものの見方を体験する機会は激減しており、特に子供達の実体験教育をFSセンターに期待するという強い要望もあります。
三重大学の教育目標は「感じる力・考える力・コミュニケーションする力・生きる力の涵養」であり、この目標はまさにFSセンターでの実習・実験により培われるものと考えています。 また、三重大学は「地域圏大学」として教育・研究・社会貢献を進めることを宣言しております。
こうした背景を鑑み、FSセンターは地域に根ざした教育研究拠点として活動すべく、スタッフ一同が日々努力しています。