
人間と他の生物が共存できる持続可能な循環型社会を考えています。
生物資源学部では平成27年度から、資源循環学科、共生環境学科、生物圏生命科学科の3学科体制のもと、専門分野を再構成しました。
物質循環学講座の教育研究分野
生物循環機能学

自然の中でもともと生物が持っている機能を活用して、利用されていない生物資源を有用な資源に換えていくことを目標に研究しています。例えば、微生物を利用して食品製造副産物や未利用の資源を家畜の飼料として活用する技術を研究しています。また、微生物がワラや草を分解していくメカニズムを調べ、バイオエネルギーを得るための活用を目指しています。
森林生物循環学

森に生育する樹木に腐生、寄生、共生するカビ、キノコについて、その多様性の仕組みとはたらきをDNAから野外までの幅広い範囲で、生態学的な視点から調べています。そこから導き出される情報から、健康な森の管理や維持とともに絶滅しそうな植物の保全に活かすような方法を探っています。
生態循環学

食料安全保障の強化を目指して、植物生態生理学の視点から次のような研究テーマに取り組んでいます。(1)温暖化対策:作物に対する乾燥・高温障害の軽減、(2)肥料の効率的利用とそれによる河川の富栄養化防止、(3)資源植物の環境ストレス抵抗性(塩害、酸性土壌)、(4)食料と競合しないエネルギー資源の開発:サゴヤシなどの生理生態研究と資源化。
土壌圏生物機能学

植物が生長に必要な栄養素(無機元素)をどの様に選択し、吸収しているのか?そのメカニズムを知るために、特殊植物(超集積性植物)における輸送膜タンパク質(トランスポーター)の働きを、遺伝子工学を用いて解析しています。さらに、これらの研究を通じて、安全な食料の生産や植物を用いた環境浄化、金属資源の回収などに関する研究を進めており、人類の福祉に寄与する植物バイオテクノロジーの発展を目指しています。
土壌圏循環学

生物生産の場である土壌圏に降り注ぐ水は、浸潤、蒸発を繰り返し、植物に吸水され、また土壌圏から流失します。この水分の流れにより、溶解している化学物質(肥料・汚染物質など)も動きます。この土壌圏中の物質移動のメカニズムを解明し、その移動予測モデルの構築を目指しています。そのため、土中の水分・溶質・熱移動特性の推定、土中の水分量や塩分濃度測定手法の改良、土の凍結メカニズムの解明などに取り組んでいます。
草地・飼料生産学

草やわら、食品製造副産物といった人間が直接食べることができない植物資源は、家畜の飼料として利用することで、乳や肉といった人間の健康を支える食料に変換することができます。私たちはこのような植物(飼料)資源の生産や発酵による貯蔵、ならびに反芻家畜における栄養素の利用性を中心に研究を行っています。