
生物の情報と機能を活かして食品や生物資源の高度生産を目指します。
生物資源学部では平成27年度から、資源循環学科、共生環境学科、生物圏生命科学科の3学科体制のもと、専門分野を再構成しました。
循環生物工学講座の教育研究分野
生物情報工学

生物体を生体構造・形・物性・特性という要素を持つ構造体として考え、分子や細胞レベルから植物体や食品を対象とした光計測法の確立とその解析・データベース化、および計測データに基づく生命現象の解析などの基礎研究をおこなっています。また、ICT(Information Communication Technology)を核とした農業支援システムから食品の新規加工法や味覚評価、生物・循環プロセス計測などの応用研究にも取り組んでいます。
生物物性学

体の全体に血液を運搬している血管の細胞や筋肉の細胞の生理的機能を研究しています。血管は筋肉と同様伸びたり縮んだりして血流を調節し血圧をコントロールしています。このような収縮や弛緩の機能に関わるタンパク質やその遺伝子の機能を調べています。単離した血管の細胞を培養することも行っています。動脈硬化症などの病気と血管細胞の病変についても調べています。
食品資源工学

食品資源の主要な成分である糖質(特に食物繊維やデンプン)や、糖質の合成・分解に関与する酵素の特性について研究しています。また、酵素や微生物を利用した機能性糖質の合成や効率的なバイオ燃料生産など、糖質資源変換技術の開発に取り組んでいます。
微生物工学

微生物の持つ多様な生理機能や微生物が生産する酵素などの機能を分子、遺伝子、微生物細胞、微生物の集団の各レベルで解析し、利用するための研究を行っています。主なテーマは、セルロース分解酵素とその遺伝子の解析およびその改良、バイオマスの有用物質やバイオエネルギーへの変換、環境浄化、微生物や植物細胞の分子育種法開発などで、遺伝子工学やタンパク質工学、代謝工学などバイオテクノロジーの手法を用いています。
栄養機能工学

食物に対する生体の応答を個体、組織、細胞、さらに分子レベルで明らかにすることを目的として研究しています。具体的には、動植物・微生物から得られた未利用資源や食品廃棄物からタンパク質やペプチドなどを精製し、動物実験や細胞培養の手法を用いて健康の増進や生活習慣病の予防に役立つ成分を明らかにしています。
食・環境・文化情報学

農林水産業は、地球環境を適度に制御しながら環境保全している唯一の産業であり、農林水産業が創り上げてきた景観は人類の文化アーカイブです。本研究室では、農林水産業から観光までを繋ぐミクロ・マクロ情報の連続的な取り扱い手法、すなわち、(1)フィールドでのマルチバンド光による情報収集手法、(2)画像・スペクトルによる品質・安全・倫理情報の伝送手法、(3)多様な情報表現による文化表現手法、を研究開発します。
微生物遺伝学

有用微生物の生理機能を遺伝子レベルで解析し応用するための研究を行っています.主なテーマは,微生物の遺伝子工学や代謝工学による改良,微生物や植物細胞の分子育種法開発などで,特に嫌気性細菌を対象に分子遺伝学的手法を応用してバイオマスをバイオエネルギーへ効率的に変換する研究に力を入れています.さらに微生物が生産するバイオマス分解酵素の遺伝子発現制御機構の解明も行っています.