巨大な生物集団である森林について、様々な方法で研究します。
生物資源学部では平成27年度から、資源循環学科、共生環境学科、生物圏生命科学科の3学科体制のもと、専門分野を再構成しました。
森林資源環境学講座の教育研究分野
森林保全生態学

森林生態系の基本要素である樹木を対象に、天然生の森林群落の生物多様性や群落構造を継続して長期間測定し、さらに、個々の樹木の生育環境を調べることで、森林生態系が維持されるしくみを解明する研究を展開しています。また、絶滅危惧植物や特殊な水分環境で育つ樹木について、水分条件などを制御して栽培し、生理生態的性質を明らかにする研究も行っています。
森林環境砂防学

自然的・社会的に変動する山地流域、とくに蒸廃した森林流域の修復と保全をめざします。そのため、流域内の水の流出・循環や土砂の崩壊・移動・堆積現象を把握し、土石流・地すべり・崩壊という地表変動現象の視点から研究をすすめ、減災に役立てます。研究成果を、国内やアジア圏などで問題となっている乱伐後の荒廃森林環境と流域の修復、地球温暖化による豪雨や突発的な地震や噴火などによる土砂害の減災のために活かします。
森林環境資源利用学

わが国の約70%が森林です。この広大な森林は、重要な資源であり、また生物の生息・生育域でもあります。森林の持続的な利用と適切な管理を目指して、現地調査を行い、また数理モデル、リモートセンシング、GISなどを活用し、森林利用学、森林情報学的手法によって「木材生産作業の低コスト化」、「森林ボランティアの活動支援」、「森林内でのレクリェーション活動などによる癒しの効果」、また「森林の広域的な分布・動態・機能の解明」などについて研究を行っています。
木質資源環境工学

木材は古来から利用されてきた私達の生活に密着した欠かせない材料です。木材は中空の繊維からできているため、断熱性、調湿性にすぐれ、軽くて強度があり、環境に優しく、かつ光合成により永続的に再生産可能な理想的な材料でもあります。本研究室は、木材の特徴を生かして工学的に種々の変換を加えることにより、住宅などの構造材料や屋内外環境形成素材として有効に利用するための理論と技術について研究しています。
木質分子素材制御学

地球温暖化抑制のために進められているバイオ燃料の利用拡大が、逆に、食糧価格の高騰や熱帯雨林伐採等の問題を引き起こしはじめています。本研究室は、木材を化学的に機能性新素材に変換する世界オンリーワンの技術を武器に、地球生態系を乱さない先進的なバイオマス資源の使い方を提案し、石油に依存しない持続可能な社会の構築を目指しています。