海洋生物を生物レベル・分子レベルで研究し、社会に貢献します。
生物資源学部では平成27年度から、資源循環学科、共生環境学科、生物圏生命科学科の3学科体制のもと、専門分野を再構成しました。
海洋生物科学講座の教育研究分野
海洋生物化学

わが国は古くから海洋生物、特に藻類を食糧資源や工業原料として活用してきました。近年、藻類のヒトに対する機能性が注目され、また、将来に向けた養殖海藻の安定生産が重要課題となっています。大型あるいは微細藻類由来の『美と健康』に寄与する機能成分探索とその動態、および海藻の生長・代謝特性を分子レベルで解析することにより、社会への還元を目指して研究を行っています。
生体高分子化学

海洋に生息する生物は水中という特殊な環境のもとで生存しています。そのため海洋生物は陸上生物とは違った形態と機能を進化させてきました。私たちの研究室では「タンパク質を変性させる尿素を体内に蓄積していてもなぜサメ類は生きてゆけるのか」、「二枚貝はなぜ大きな力で殻を閉じ続けることができるのか」という筋肉に関する疑問を解明するために遺伝子工学やタンパク質工学のテクニックを駆使して研究しています。
海洋微生物学

海洋微生物は海洋生態系の構成要素のひとつとして重要な役割を果たしています。したがって、これら微生物生態系を解析し、海洋微生物の多様な機能および特性を生理生態学的・生化学的・分子生物学的な面からとらえ、これらの特性を利用することを目標にしています。また、食品微生物を制御するための洗浄・殺菌技術の開発や、衛生管理のための清浄度の評価技術に関する研究も行っています。
生物海洋学

水圏の生態系はまず植物プランクトン、それを食べる動物プランクトン、そしてそれを食べる小魚、その後大きな魚という流れで構成されています。私たちは、そんな生態系の低次に位置するプランクトンの動態を環境との関連から調べることこそ海洋生態系の保全につながるとの信念に基づいて、海洋における無機・有機物質の流れ、動・植物プランクトンの生態系における役割、そして赤潮・貝毒の発生メカニズムについて研究しています。
藻類学

ワカメなどの海藻やアマモなどの海産種子植物の生理・生態の研究を行っています。これらの海産大型植物が、生きていくために必要な環境条件を明らかにすることを目的にしています。そのために、潜水調査や光合成測定、培養、多糖類・酵素分析、コンピューターシミュレーションなどの手法を用いています。得られた研究結果は、藻場造成などの環境修復事業や海藻養殖に活用されています。
海洋個体群動態学

魚を減らさずにとり続けるにはどうしたらよいのか?魚を絶滅させないためにはどうしたらよいのか?魚を守り、人の暮らしを豊かにするにはどうしたらよいのか?水産資源管理や水産生物の保全について、コンピュータを使った解析と、野外で魚を獲ったり観察したりする調査によって研究し、魚のため、そして人のためになることをめざしています。
海洋生態学

海には、みなさんの知っている魚やクジラ、イルカより、ずっと多くの貝や力二、ヒトデなどの背骨のない生物が住んでいるのを知っていますか?これらの生物には外来種と、一方で絶滅に瀕した種がたくさんいることがわかってきました。でもその生態の多くは謎に包まれています。海の生物資源と生物多様性を守るために、海洋生態学の研究は今後さらに重要になるでしょう。野外の生態調査に興味のある方は、ぜひ一度見に来てください。