海・川・湖のめぐみを守り、作り、育て、そして上手に利用してゆきます。
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生物資源学部では平成27年度から、資源循環学科、共生環境学科、生物圏生命科学科の3学科体制のもと、専門分野を再構成しました。
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水圏生物生産学講座の教育研究分野
水圏資源生物学

貝類と魚類の遺伝や進化について研究を行っています。具体的には、有用種アコヤガイの品種改良と養殖技術の改良、外来種の起源の解明(シジミ、ブルーギル)、ミトコンドリアDNAの両性遺伝様式(ムラサキイガイ)、生物の種分化(メバル、タナゴ、フナ等の魚類)、希少淡水種保護(アマゴ・タナゴ)について研究しています。本研究室の目標は、水産業に役立つ研究を行うだけでなく、私たちのごく身近な生物の進化や繁殖等に関する"謎"を遺伝子分析などをツールにして科学することです。
水族生理学

解剖学、組織学、電気生理学、遺伝子解析、行動解析など多様な攻め方で魚類の感覚系や行動についての総合的な研究を行っています。視力、色覚、紫外線感覚に着目し、水中環境で魚はどのように世界を見ているのか調べたり、味覚や嗅覚の特性を調べ、摂餌・回遊・繁殖など、生態への感覚器の関わりについて研究しています。また、魚の学習行動や生物時計の研究も行っており、得られた知見を環境に優しい養殖技術に役立てる研究も行っています。
浅海増殖学

浅海域における増養殖業とその活動のスタートとなる魚介類の種苗生産に関する新たな技術開発、特に魚類や甲殻類の稚仔を人工的に大量生産する際に必須な動物性の初期餌料生物プランクトンの培養技術の開発や栄養価の向上に関する研究、さらに、産業上有用な水圏動物(養殖魚介類)の病害を防止するため、病原微生物の性状や水圏動物の免疫機構を解析し、有効な治療薬あるいはワクチンの開発に繋がる研究を行っています。
魚類増殖学

近年、海や川や湖から魚がずいぶん減ってしまいました。その原因は、汚染や破壊などの環境の悪化、乱獲、外来生物の侵入などさまざまですが、多くの場合、人間の活動が要因になっています。私たちが原因で減ってしまっている魚たちをこれから先、どのようにしたら増やすことができるのか?魚の生態や繁殖機構を明らかにしながら、魚たちの側から魚を増やすための研究に取り組んでいます。
応用行動学

実験室内に海中や湖沼内の光環境を再現して、魚類や甲殻類が光の強さや色の変化に対してどの様な反応行動を示すかを計測しています。また、練習船に乗って伊勢湾や外洋の黒潮流域まで出かけて海洋観測をしたり、河川や湖沼内の太陽光の日変化等を測定して、光の強さや向きと魚の視力や餌を見つける能力の変化を解析しています。これらの方法で、魚類や甲殻類の行動生態と生息環境との関係を研究しています。
水族病理学

魚介類の病気(魚病)に関すること、具体的には魚介類が病気にかかる仕組み(病理)、病気を起こす生物(病原生物)、魚介類が病気から身を守る仕組み(生体防御)、および魚病の治療法や予防法などについて研究しています。
水圏生物利用学

発生・分化、免疫系や筋形成など脊椎動物が有する様々な高次生命現象の実験モデル魚類としてゼブラフィッシュを選び、ゲノムワイドなオミックス解析を展開するとともに、システム生物学に関する研究を行っています。また、キンギョを用いた有用タンパク質の生産や抗体を取得することで、バイオ医薬品開発につながる研究開発も行っています。
水産物品質学

水産物や水産加工品を中心に食品の鮮度保持や品質評価、安全性に関する教育研究活動を行っています。それらの応用として、1.水産食品に含まれる機能性高分子化合物(魚類血液中の糖タンパク質、海藻多糖類やポリフェノール類)の分子構造や生理機能の解析、2.水産食品に残留する薬物の定量分析、動態の解明をテーマに研究活動を展開しています。
海洋食糧化学

海洋生物を構成する生体分子には,陸上生物由来のものとは異なるユニークな構造と生理機能を持つ物質が存在します。研究室では,海藻由来のフェノール性化合物や糖質,脂質をはじめとする有用有機化合物の探索と利用,特に機能性食品としての応用を目指した研究を進めています。ターゲットとなる有機化合物について,質量分析装置による構造の推定や動物細胞を用いた生理機能の評価など生化学のアプローチから解析を行っています。