研究紹介

●研究概要

生物は,生物体の機能と生体物質を結びつける生物情報の有無によって,生命を持たない物質と区別される.この生物情報は,DNA → RNA → 蛋白質の順序で生物体の構造と機能として表現される一次の生物情報,生命の維持(構造の秩序維持)に不可欠なエントロピー減少を生み出す開放系と非線形現象の組み合わせから発せられる一次代謝や二次代謝などの二次の生物情報,およびこれらの情報から発現した生体構造 ・形 ・物性 ・特性 ・感覚などの三次の生物情報としてとらえられる.われわれの研究室では,以下のような分野の生物情報に関する基礎および応用研究を行っている.
  1. 生物体を生体構造 ・形 ・物性 ・特性という要素をもつ構造体としてとらえ,各要素の計測法の確立と計測データの蓄積をおこなうとともに,実験,解析を通してそれぞれの要素間の関係性を検討する研究,および,生体の保蔵 ・加工技術に関する研究,さらには生物体が食品の場合の人間側の感覚(味覚,臭覚,視覚)を精神物理学 ・ファジィ情報学を用いて定量化し,この感覚と食品構造体との結合を考える研究
  2. 一次,二次,三次の生物情報の数理学的意味,生物情報の数理学的表現法,およびその計測のための基礎的理論に関する研究.および,得られた成果をニューラルネットワーク,遺伝的アルゴリズムや人工生命などの人工知能の分野に応用を試みる研究.
  3. 複雑なフィードバック回路である生体の解糖系を含む代謝回路の非線形性を,細胞レベルの実験,細胞の集合体としての生物体レベルの実験を通しておこなう研究.および,実験の成果を用いて,一次代謝,二次代謝経路 ・回路の反応速度論的シミュレーションモデル構築などに関する研究.
  4. 遺伝的情報,蛋白質情報などの一次の生物情報を基礎とし,開放系と非線形性の条件下で分子の協同現象によるシステムダイナミックの結果生まれる二次の生物情報の発現メカニズムに関する研究.

●研究課題
  1. 農産物 ・食品に関する研究
  1. 生命活動を有する農産物を対象に行う一次 ・二次代謝に関わる速度論的研究
  1. 農産物を生産する現場での生物情報センシングに関する研究

●主な設備・装置
エネルギー分散型蛍光X線分光器 蛍光分光光度計
紫外 ・可視分光光度計 フーリエ変換赤外分光光度計(据置型,可般型,顕微)
光音響法スペクトル測定アクセサリー 冷却CCDカメラ2次元分光計
小型分光ユニット 色彩画像計測・解析システム
色彩色差計 農産物呼吸速度解析システム
疎水性ガス加圧式代謝抑制解析システム 通風乾燥速度装置
赤外線乾燥装置 水分収着計測システム
細線加圧式熱伝導計測装置 精密温度測定装置
インターネット対応型植物育成装置 フィールドサーバー
クリーンベンチ 高速液体クロマトグラフ
イオンクロマトグラフ カールフィッシャー水分計
倒立型顕微鏡 バイオリアクター
など

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