園芸植物機能学研究室


 園芸植物がもつ有用な様々な機能を,果樹や野菜の栽培の改善に役立てるために研究を行っています.

 果樹では,ナシ,ミカン,ブドウなどの温帯果樹の受精や果実の発育・成熟に関する生理・生化学的

研究を行い,「高品質果実を省力生産する」ための基礎的知見を得ることを目標としています.

 野菜では,低温や高温などの環境ストレスに対する生理・生化学的機構の解明と養液栽培(水耕栽培)

における高品質野菜の栽培法の確立を主な研究目標にしています.


ナシの果実

ナシの花

キュウリの養液栽培(水耕栽培)

ホウレンソウの光合成を測定している様子


<果樹分野(平塚教授)が取り組んでいる課題>

1.ニホンナシの自家不和合性に関する生理・生化学的研究
 ナシは,同一品種の花粉を受粉しても着果しないという「自家不和合性」をもっているが,近年,この現象は各品種の花柱に特異的なRNA分解酵素(S-RNase)が存在し,同一品種の花粉管伸長を抑制するためであることが解ってきた.当研究室では,このS-RNaseがどのようにして花粉管伸長を抑制するのかについて,生理・生化学的観点から研究している.
さらに,品種によっては含まれるS-RNase量が少なく,同一品種の花粉でも適度に着果することが解ってきた.この性質を利用して,人工受粉も摘果も必要のない品種(自家摘果性品種)の育成を試みている.

2.果実の成長と成熟に関する研究
 
主に,以下のような研究を行っている.

ミカン果実における糖(スクロース)蓄積の機構解析と糖度上昇技術の確立


カキ果実の軟化とナシ果実の生理障害の機構解析と防止技術の確立


●ブドウ顆粒の着色制御

3.果実に有効な摘果剤の開発と摘果機構の解析

<野菜分野(名田准教授)が取り組んでいる課題>

1.成育環境をコントロールすることによる高品質野菜の栽培法の確立

葉菜類における硝酸塩含量低減化技術の開発

葉菜類の成育および品質に及ぼす地温と地温の昼夜温較差(DIF)の影響

根への塩ストレスがトマトの成育と果実品質に及ぼす影響

2.野菜類の環境ストレス耐性機構の解明に関する研究

低温性園芸作物の光合成低温順化機構の解明

園芸作物における耐湿性向上に関する研究

高温性園芸作物の光合成高温順化機構の解明

キュウリ個葉光合成の低温光抑制のポリアミンによる軽減作用

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