循環生物工学講座


 すべての生物資源は,情報と機能を持っています。これらを効果的に引き出し,有効に利用することで,持続的な生産が可能になります。我々は,この「生物情報」の循環を考え,動植物・微生物などを用いて,再生産が出来る資源化を考えます。


細胞代謝

色・形情報

計測

【生物情報工学】生物のさまざまな情報について広い角度からセンシング・解析を行っています。

 

 

 

脂質・タンパク質の分析

有効資源の分取

分子間相互作用の解析

【栄養機能工学】動植物・微生物から得られた未利用資源を利用し、生活習慣病の予防に役立てます。

 

 

 

 

【食品資源工学】
酸性土壌を改良してデンプンやタンパク質を生産できるようになれば、地球温暖化に悪い炭酸ガスを減らすだけでなく、食糧と光合成で作られるエネルギーも増やせます。人工栽培のキノコ子実体からガンに利く成分を、非可食部からセルロースやリグニン分解能力を活用し環境浄化に役立てます。

 

 

 

 

【微生物工学】
私たちは遺伝子工学技術で微生物の能力を高め、バイオマスの有効利用をめざしています。図は(1) 植物繊維分解細菌の電子顕微鏡写真、(2) 製紙産業の公害防止に役立つ酵素の立体構造モデル、(3) バイオマスからの水素ガスの生産。

 

 

 

【生物物性学】

動物の筋収縮ではATPという化学物質を効率良く循環して、力を発生させています。筋肉中では太い繊維と細い線維が繰り返し配列し、これらが滑り合うことによって収縮がおこります。この反応をうまく使うと動物性食品の鮮度を長く保つことができ、また大量のATPを蓄積してゆっくりと反応させると生物ポンプとして新しいエネルギーの利用も考えられます。

 

太い繊維の成分ミオシンを付着させたガラス面上をATPのエネルギーによって運動する細い繊維。2秒おきに撮影した。スケールは10μm。

 

【食・環境・文化情報学】

類が食料生産のために最初に創り上げた農林水産業は、地球環境を適度に制御しながら環境保全する役割を受け持つ唯一の産業です。また、地球上に農林水産業が創り上げてきた景観は人類の文化アーカイブであり、今日私たちはその遺産を観光産業に有効利用しています。本研究室では、この農林水産業から観光までを繋ぐミクロ・マクロ情報の連続的な取扱い手法を研究することを主目的としています。