凍結撹乱作用 (cryoturbation, 場合によってはfrost sorting)



 土が凍結すると、凍上により土壌は鉛直上向きに持ち上げられます。また、こうした土が融解すると、今度は土壌は下向きに移動することになります。このとき土粒子の大きさや土質の違い、凍結の仕方の違いなどによって土壌の移動の仕方が異なるため、また局所的な水の移動や重力によって、土壌は激しくかき混ぜられることになります。こうした土壌の凍結融解による撹乱作用はクリオタベーションと呼ばれ、火山灰層や泥炭層など凍上性の高い土壌で顕著に見られます。
 なお、斜面の地表土壌がゆっくりと移動する現象をソリフラクション(solifluction)、特に凍上現象によって持ち上げられた礫や土壌が、融解によって斜面下方へ移動する現象をフロストクリープ(frost creep)と呼びます。また、地表土壌が融解水などで飽和され、斜面下方へ流動する場合は、ジェリフラクション(gelifluction)ともいいます。
 こうした土壌撹乱作用は構造土の形成に重要な役割を担っています。

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