凍結割れ目 (熱収縮割れ目, thermal contraction crack, frost crack, ice vein)



 土壌が凍結すると、地盤は鉛直方向(熱流方向)に膨張します(凍上現象)。しかしこのとき、水平方向には逆に収縮する傾向があります。このため、永久凍土地帯などで地表が強く冷やされると、土壌の収縮により地表にひび割れが入ることがあります。これを凍結割れ目と呼びます。
 凍結割れ目は、およそ等間隔に入ります。土質や地表面状態等にも依りますが、シベリアツンドラ地帯では7m程度の間隔ものが多く見られます。また割れ目どうしは力学的安定のためおよそ120度の交点で接します。この凍結割れ目に融解水が入り再凍結したものをアイスウエッジ、凍結割れ目が連続して現れてできた地形をツンドラ多角形土(アイスウエッジポリゴン)と呼びます。凍結割れ目の交点の性質状、ツンドラ多角形土は六角形の編み目状になります。
 なお、慣例的にfrost crackとも言いますが、frost crackは正しくは植物凍害の用語で、寒さ等により樹皮が割けてしまうような現象を指します。
 写真は1997年8月16日、Tiksi, Russiaで撮影したもの。

 
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