生物資源学部(学部4年)と大学院生物資源学研究科(修士課程と博士課程)
新年度のご挨拶
共生環境学科(専攻)を代表して |
共生環境学科(専攻)を代表して 3月11日の東日本地震の犠牲者となられた方々、被災された方々に対し、謹んでお悔やみとお見舞いを申し上げます。はからずも、そういう年に専攻長・学科長を受け持つこととなりました、加治佐隆光と申します。 学科全体の紹介については、すでに多くの説明が公開されていますので、この地震の関連であいさつをさせていただければと思います。まず、あまりにも大きい災害ですので、これを読んでおられる皆さんもどのようにそれに向き合えば良いのか暗中模索といったところではないでしょうか。この余波はしばらく尾を引くでしょうが、私の場合、直近のところでは、「波」と「伊勢湾台風」についてDVD2枚を学生に紹介しました。 「波」については、風波の大きくなっていくメカニズムが、どういう要因に支配されているかという歴史的なところから話が始まりました。既存のマニュアルで対処できない問題を解決しようとするためには、科学的アプローチが必要であり、要因を分析してゆくことがその第1歩であり、その研究方法が紹介されていたことになります。津波の話がそれに続きました。 「伊勢湾台風」については、堤防が破壊されたメカニズムの説明もありましたが、その一方でドラム缶を駆使して修復した国道1号線の話なども紹介されています。すなわち、最前線で材料を駆使して応急処置をほどこし、道路の通行を確保するといった緊急時における現場の工夫の話です。 科学的アプローチにせよ、現場の工夫にせよ、共通しているのは、マニュアルのない場面でプロ集団がいかに問題に取り組んだかということですね。 どの科目でも、プロ集団の話にウェイトがかかりますと、学生は感動もある一方で、解決策を学んだ気がせずもの足りなさを感じることでしょう。逆に、公式の紹介など、マニュアル化された知識の習得にウェイトがかかりますと、学生諸君は、ある程度の充実感を覚える一方、味気なさを感じることでしょう。ですから、その両方のバランスが大切なのでしょう。今、ここに紹介しています共生環境学科の一番の特徴は、その両方が用意されていることです。 入学を希望とする方々には、何の資質も要らないと私は思っています。ただ、環境の問題について、マニュアルのみに依存しない本当の解決策を探ろうとする気持ちが必要です。その意欲がこの学科を支えています。その気持ちの紹介をもちまして、代表としてのあいさつに代えさせてください。ありがとうございました。 共生環境学専攻 専攻長(学科長) 加治佐隆光
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2010年度 |
共生環境学科(専攻)を代表して |
当専攻のホームページをお尋ねいただき、ありがとうございます。今年度専攻長・学科長を受け持ちます、村上克介です。 共生環境学科が発足して、満9年が経過いたしました。また、大学院共生環境学専攻が発足して満5年が経過いたしました。3月には9年前に共生環境学科に入学した学生が、博士後期課程の最終学年に達し、2名の課程博士(学術)を輩出いたしました。旧制高等農林学校の伝統を持つ本学でありますが、過日大学院大学となり、このように共生環境学を学び、専攻してきた博士がこれから社会にて活躍することになります。 大学というのはまことによくできた仕組みです。教育と研究を合わせ行うことによって、最先端の情報を学生に教授できるようになっております。そして、われわれ教員は常に在学生に必要なカリキュラム編成について苦心しております。学部時代は勉強の基礎的素養として高校時代に習った学習に上積みを行いますが、目先の単位をこなしてゆけばある程度体系的に専門知識、当学科でいうなら環境問題を、基礎的な科学や技術を通して深く考えることができると同時に、科学に関する普遍的な知識も身につけることができます。 さて、我が国は経済発展の過程で先進国に学び産業の振興に成功し、世界の中で優位な地位を築いて参りました。しかし、近年、先進諸国一層の努力、また発展途上国の追い上げも厳しくなる中で、先行き不透明な状況が継続する傾向にあり、政策的にも混迷が感じられる様になりました。このような中で、優位な立ち位置を確保し、人類の発展に貢献するには、独自の学術、技術を先駆けて持つ必要があります。「オリジナリティ」の必要性は、従前にも増して重要となっております。 個性を尊重した教育が必要と言われておりますが、私は、大学においては、単なる「個性尊重」でなく、それを活かした創造的能力の育成がもっとも重要と考えております。本学科および大学院では、通常の入試はもちろん、転編入、社会人、外国人など多様な入試を用意しております。ぜひ、私たちと共に、「創造的活動」に取り組んでまいりましょう。
平成22年度専攻長 村上克介
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2009年度 |
共生環境学科(専攻)を代表して |
三重大学大学院生物資源学研究科共生環境学専攻・生物資源学部共生環境学科という、名刺に書ききれないほど長い名称組織の、今年度専攻長・学科長の福山薫です。
ことを信条としています。 いま、人類の関心を集める地球温暖化や気候変動、気象異変等が私たちの毎日の暮らしとどう関連するかを、講義や実験だけでなく、練習船・演習林・農場等での実習・フィールドワークを通して、地球科学・工学と生物科学を有機複合的に学び研究することができる、世界で唯一ともいえる学舎(まなびや)が、私たちの専攻・学科なのです。
共生環境学専攻 専攻長(学科長) 福山薫
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地域保全工学講座 |
最近、テレビが気になる。 「農地がままならないから若い人たちが農業に参入できない」(講座のイメージ1) 農地は動かせないと考えているひとが多いのですが、実は「換地」という言葉があります。これは、農家の人が農地を交換して農作業をしやすいように村の農地全体を良くしてゆこうとした古人の知恵です。集団農業をしやすい農地があれば、参加した営農グループの運営も軌道に乗りやすいわけです。この「換地」という語はいわば農業土木学用語であり、当講座の歴史を語る時に欠かせない語句のひとつです。
「ダムを作ったのに水がたまらない」(講座のイメージ2) これとよく似た話に「ダムはいらない」というのがあります。なんとなく、「ダムは要らないのだから、作ろうとしたこと自体がまちがい」と話をくくりたくなりますが、そうやって言葉をつないでゆくだけでは不安を感じませんか?誰かが漏水量を調査してその結果を数値で示したり、暮らしに必要な水の量を確定したり、水田にまわす水の過不足を見極めたり、ダムの耐久性、寿命、あるいはコストといったお金のことを数字で計算する人がいなくては、いくら環境のことも含めて総合的に将来を議論しようとしても判断材料がなくて困りますよね。この講座では、いろいろと主張を展開してゆく前のこういった客観的なことがらのひとつひとつを科学的なこととして重視しています。
「若い人たちの理系離れが進んでいる」(高校生の皆さんへ) 当講座、学科、学部全体は確かに理系であり、学部名には生物の2文字があてがわれています。ですが、農学・水産学を背景にしていることもあり、社会学を中心に研究している人たちや、マシンづくりに没頭している人たちも多いのです。中学の時の理科は楽しくありませんでしたか?中学の理科の世界というのは、身近な自然への幅広い知識と好奇心に支えられた世界ですので、単なる受験のための理科力よりも私たちには魅力的です。上述の講座のイメージで書かれたことは、「あれもこれも」といった印象を受けるかもしれませんが、中学の理科など(もちろん社会や数学とか英語なども含めて)何かと幅広く学ぶことの楽しさを思い出すことができれば、入学後に努力して普通に卒業して、社会で活躍できます。
「大学を出ても就職がない、内定取消し問題」(保護者の皆さんへ) 平成21年3月に卒業した25名(大学院生を含む)の詳細は以下のようでした。内定を取り消された学生はいません。
なぜこの講座では農学とか工学に支えられた古くてぱっとしない学問をいつまでも教えていているのか、なぜ受験生にとってわかりにくい分野であり人気がないのか、それなのになぜ就職が良いといわれているのかといった一連の疑問を想定して以上のような文章を書きました。ご叱責等につきましては平成22年3月31日まで、講座主任が承ります。
地域保全工学講座主任 教授 加治佐 隆光 |
森林資源環境学講座 |
今、森林が面白い 森林は陸地面積の約3割を占めていますが、陸上における生物の総量としては9割が集まる巨大な生物群集です。この森林は地球温暖化防止や生物多様性維持などで地球環境に貢献しているだけでなく、人類の長い歴史のなかで材料や燃料としてずっと利用されてきましたし、現在では再生可能なバイオマス資源として新たな展開が期待されています。また森林は、古くから国土の保全や水源のかん養などの機能が重視されてきましたし、戦後の過程ではレクリエーション、自然環境、教育、文化などの新しい役割が次々と注目され、現在では森林や木材がもたらす癒しの効果が脚光を浴びています。 森林資源環境学講座は、大学の各学部が集まったようなところで、生物学、物理学、化学といった基礎的科学、土木、建築、機械、応用化学などの工学のほか、経済学・社会学などの社会科学といった様々な手法の研究室から成り立っています。本講座の学生は、多様な役割を発揮する森林の特性について総合的に学習したうえで、環境を維持・増進させながら、持続的な資源の利用を進めていくための具体的な方法を、自分に適した専門性をみつけながら探求していきます。そのような学習成果をふまえて、学生は大学院、公務員、民間企業など、自分に合った進路をみつけていきます。 森林は、太陽光のエネルギーを利用して二酸化炭素をとりこむことによって地球温暖化の防止に役立っています。それとともに、そこで生産された木材が化石資源に変わる材料やエネルギーとして新たに活用されることによって、森林はこれからの持続型社会や循環型社会の「要」のような役割を果たすことになるでしょう。また、ストレスのたまりやすい時代が進むなかで、森林の人間に対する精神的な役割への期待もますます高まることでしょう。このような森林の未来を本格的に切り開くことができるのは、現在の指導的な人たちではなく、皆さん方、若い世代以外にはないでしょう。 1) フィールドでの樹木や植物の生態観察、植物の生理作用に興味がある。
森林資源環境学講座主任 教授 三井昭二 |
自然環境システム学講座 |
地球の不思議を解明したい。これは地球人である我々すべが持っている欲求です。 当講座では特に、「やわらかい地球」の解明を目指しております。「やわらかい地球」とは、大気圏、水圏、生物圏など、変化しがちな地球の部位のことです。 猛暑や冷夏、豪雪や暖冬、異常多雨や旱魃、北極の海氷の減少、地球温暖化。これら「やわらかい地球」の異変や異常が「なぜ?」 起こっているのでしょうか?実はこの「なぜ?」に対する完全な答えを人類はまだ得ていないのです。地球には不思議なことがたくさんあります。気象や気候の不思議もその一つです。その「なぜ?」を解明し人類全体の文化に貢献すること。それが科学なのです。気候は、大気圏、水圏、生物圏、陸圏そして「人間圏」が相互に影響をお及ぼし合い、それらが融合した一連の「系(システム)」として変動しております。従って、気候変動の仕掛けを紐解くには、大気、海洋、陸水、陸上の植生、そして人間との関わりを統合的に研究する必要があります。当講座では海洋から陸地、森林、大気まで切れ目なく(シームレスに)研究対象としており、生物資源学部の中で唯一、海の底から山を越え、遙か空までの環境を総合的に研究することができる講座です。ですから「やわらかい地球の環境を科学する講座」と言い換えることができます。 当講座のもう一つのユニークさは、気象学を本格的に学べるということです。大学の学部レベルで気象学を系統的に学べる大学は少数です。ここ東海地域では当講座のみです。地球規模の気象からローカル規模の気象、国内や海外そして海洋上での観測、実験、数値シミュレーション、GIS、リモートセンシングと、幅広く気象学をカバーしております。 「やわらかい地球」や「気象」を学びながら、我々と一緒に地球の不思議にワクワクしませんか?どこかの研究室で、あなたの知的好奇心を満足させる、アカデミック・マインドに遭遇することができるでしょう。
自然環境システム学講座主任 教授 立花義裕
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2008年度 |
共生環境学科(専攻)を代表して |
ユニークな共生環境学科と専攻 共生環境学専攻 専攻長(学科長) 林 拙 郎
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地域保全工学講座 |
地域保全工学講座 地域保全工学講座は、かつては「農業土木」と呼ばれていた専門分野の一つです。 本講座は、三重大学の前身である三重高等農林専門学校農業土木学科の歴史を引き継ぐ伝統講座で、現在は「田園計画学、土資源工学、水資源工学、流域保全学、環境施設工学」の5つの教育研究分野(いわゆる研究室)より構成されています。そして、本講座では、環境と共生した生活空間を創造・保全する考え方を基本に、美しく豊かで住みやすい地域を築くための教育・研究に取り組んでいます。 ところで、誠に恐縮なことですが、この文を書いている私は、農業土木学(あるいは農地工学)に加えて、土壌物理学という、さまざまな視点をもった科学の目を持つことが認められる学問体系を専攻しています。近年この土壌物理学では、物理学的視点を越えて、土壌微生物、土壌動物、植物根などの「生命」を直接対象としながら土壌物理的現象を解明しようとする研究も進められています。 本講座では、平成20年3月に学部学生21名が巣立っていきました。進路は、公務員9名、進学7名、民間等5名です。それぞれが大きな夢と可能性を秘めて、講座で暮らした教育研究の成果を何かしら具体的にしていくことでしょう。
地域保全工学講座主任 教授 成岡 市
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環境情報システム工学講座 |
環境に優しく効率の良いシステムを創ろう! 「環境情報システム工学講座」は、システム工学的手法を用いて,情報処理技術を駆使し,環境に優しい新しいシステムを創造する専門分野であり,幅広い知識を用いて環境改善や環境保全、また食料生産などの技術開発に貢献するための教育と研究を行っています。
環境情報システム工学講座主任 教授 王 秀崙
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森林資源環境学講座 |
今,森林が面白い
森林資源環境学講座主任 教授 舩岡正光
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自然環境システム学講座 |
地球システムと人間活動 ようこそ、自然環境システム学講座へ。 三重大学大学院生物資源学研究科(生物資源学部)のなかの共生環境学専攻(共生環境学科)のなかにあって、当講座では海洋から陸地、森林、大気まで切れ目なく(シームレスに)研究対象としております。地球規模の問題から、三重県内、あるいは流域内のようなローカルな課題まで、また、理論的研究から人間や生物の活動に関する分析、防災や環境保全活動まで、多岐にわたって扱っております。 私自身は「森林計画学」を専攻しております。森林資源の計画的な利用や保全に関して、森林資源の測定、森林情報の利用などから森林の持つ多様な機能を評価し、「持続可能な森林経営」を目指しています。この課題の実践には、森林の調査、評価、成長予測、計画、実行、照査という一連の過程が必要であり、森林資源の現況調査と成長予測、森林情報の集約と照査プロセスに必要な基準・指標について、国際動向や多目的な環境モニタリングを考慮しながら森林計画を立案する手法を検討しています。最近の話題では、森林の整備水準を評価し、地域の森林管理を進めていく手法として「森林認証制度」や「森林GIS」の応用に関する研究を進めています。また、県内や海外における調査森林において、森林成長の解析、住民参加による森林管理手法の研究も進めており、特に地球温暖化対策として、住民にも有益な海外植林事業をCDM植林事業として実行できないか検討しています。 自然環境について、基礎から応用まで幅広く学びながら、我々と一緒に「エコロジカルな生活」について考えてみませんか。どこかの研究室で、あなたの知的好奇心を満足させる、アカデミック・マインドに遭遇することができるでしょう。
自然環境システム学講座主任 教授 松村直人
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共生環境学専攻 博士後期課程(博士課程) |
環境保全学講座 |
環境保全学講座
地域保全学講座主任 酒井 俊典 |
2007年度 |
共生環境学専攻を代表して |
平成 19 (2007) 年度のご挨拶 生物資源学部共生環境学科および大学院生物資源学研究科共生環境学専攻(これら学科・専攻の組織をまとめて、以下「共生環境」と書くことにします)を代表いたしまして、平成19年度の決意のご挨拶を申し上げます。 「共生環境」には、40数人の教員・事務職員が配置され、学部と大学院博士前期課程に、4講座(地域保全工学、環境情報システム工学、森林資源環境学、自然環境システム学)、20教育研究分野があります。また、博士後期課程に、2講座(環境保全学、環境創成学)、6教育研究分野があります。 人々が生きていく上で欠かせぬ「生物資源」は、この学部・大学院の中心課題ですが、生命の根源を追究しつつも未だに不明なことが多く、生物資源を対象として展開される教育研究のほとんどは自然条件・自然環境に委ねた事柄が多いというのが実状です。このことに「共生環境」はどのように取り組むのか、それがこの学科・専攻の中心課題となっています。 最近の大学を取り巻く情勢では、大学という存在があらためて問われ、学生という人材が予想を超えて多様化し、評価という採点表に一喜一憂し、長きにわたって築かれてきた歴史や伝統がさらに大きく崩されようとしています。大学の内と外に、覚悟の改革が求められているのです。そして「共生環境」にも、強い自律が求められています。 本年度の決意のご挨拶文になりましたかどうか、とりいそぎ・・・ 共生環境学専攻 専攻長 教授 成岡 市
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地域保全工学講座 |
地球は自然豊かな美しい星です. 地域保全工学講座主任 教授 酒井俊典
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環境情報システム工学講座 |
「新しいシステムを創造する」ことによって環境保全社会を実現しよう!!
環境情報システム工学講座主任 教授 佐藤 邦夫
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森林資源環境学講座 |
森林は地球環境の維持に大きな役割を果たすと同時に、再生可能な資源として人間の生活に必要な資材を提供しています。さらに、国土保全・水源涵養・気象条件の緩和などの環境調節ばかりではなく、森林が形成する緑地空間や木材を豊富に使った建物がそこに居住する人間に精神的なやすらぎを与えるなど、森林は物心両面で私たちの生活に貢献しています。 ところで、世界的に見ると森林面積は陸地面積の約30%ですが、日本は国土の67%が森林で覆われています。たいへん森林資源に恵まれた国です。テレビのニュース映像を見ていると、樹木がほとんど見られない国が多いことに気がつくでしょう。三重大学の森林資源環境学講座では、この恵まれた資源を末永く保護し、かつ有効に利用していくために数学、物理、化学、生物といった基礎科学の知識とともに社会学や経済学などの社会科学、あるいは土木、建築、応用化学などの工学の知識も総動員して研究を行っています。 森林資源環境学講座はとても間口が広く、奥行きのある講座ですから、入学後じっくり自分の適性にあった研究室を選択することができます。研究室分属後は、それぞれの専門教育が充実していますので、将来の職業に対する展望が開けてきます。 森林は地球環境や人間の健康な生活と密接な関連がありますから、将来さらに森林資源環境学講座の重要性が増していくと考えています。 1) フィールドでの樹木や植物の生態観察、植物の生理作用に興味がある。
森林資源環境学講座主任 教授 齊藤昌宏
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自然環境システム学講座 |
三重大学大学院生物資源学研究科(生物資源学部)のなかの共生環境学専攻(共生環境学科)のなかにあって、当講座では海洋から陸地、森林、大気まで切れ目なく(シームレスに)研究対象としております。また、地球規模の問題から、三重県内、あるいは流域内のようなローカルな課題まで、理論的研究から人間や生物の活動に関する分析、防災や環境保全活動まで、多岐にわたって扱っております。 三重大学への入学試験や入学後の講座分属に際して、当講座に関心を持っていただいた方、是非当講座のサイトをあちこちのぞいてみて下さい。5つの分野からなる研究室において、上述しました多岐にわたる教育研究活動を見ていただけることと思います。 私自身のその頃を振り返ってみますと、四国徳島県の吉野川北岸地域で育ち、東は渦潮で有名な鳴門の海、南には剣山、高越山などの山々、西も秘境と呼ばれる祖谷地方、そして何より「四国三郎」吉野川の豊かな流れという自然に恵まれた生活をしておりました。大学も単純に「自然が好き」というだけの理由で、将来の就職や社会人のイメージなども深く考えることなく農学部林学科を選びました。そのまま「森林」に関係する職業につくとは考えてもおりませんでしたが。思えば、小学校以来、たくさんの先生、先輩後輩、友人との出会いや助言に恵まれて、あるいは多くの反面教師にも出会い、今の自分があると思います。高校生の段階で、明確な人生設計のできる人など、そういないでしょう。いろんな偶然と幸運による微調整に任せながらも、自分の決断で一歩一歩進んでいくものと思います。 今日このサイトを訪れていただいたみなさん、「ツイて」います。21世紀は「環境の世紀」といわれます。自然環境について、基礎から応用まで幅広く学びながら、我々と一緒に「エコロジカルな生活」について考えてみませんか。どこかの研究室で、あなたの知的好奇心を満足させる、アカデミック・マインドに遭遇することができるでしょう。
自然環境システム学講座主任 教授 松村直人
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共生環境学専攻 博士後期課程(博士課程) |
環境保全学講座 |
共生環境学専攻の博士後期課程は、平成17年度から大きく組織変更となりました。本専攻は、博士前期課程までは学部と同一の講座組織となっていますが、博士後期課程においては別講座を組織することとし、プロジェクト形研究組織の良い面を取り入れ、課題解決形を意識すると共に、教員相互の連携、研鑚を高めたいと考えております。
環境保全学講座主任 教授 村上 克介 |
環境創成学講座 |
次世代のための共生環境学の構築を目指して ようこそ、環境創成学講座へ。 当講座は修士課程までの共生環境学専攻から、さらに博士後期課程に進学して研究者、あるいは高等技術者を目指す方たちのために提供されています。研究者や高等技術者など、その分野の専門家と呼ばれる人々の務めとはなんでしょうか。それまでの常識を覆すような仮説を提唱すること、新たな研究分野を切り拓くこと、その分野の専門知識を蓄え、一般に利用しやすい形で提供すること、一定の学識や技術者倫理を持った社会人として貢献すること、などなど様々な役割が期待されていると思います。 循環系物質創成学 また、一度社会に出て、もう一度、環境について勉強したいという知的好奇心にあふれる方、勉強を始めるのに、遅すぎることはありません。経験豊富で、幅広い視野を持った社会人の方の入学は、学生にとっても非常にいい刺激となりますので、歓迎致します。まだ授業の形態、研究指導の体制など、十分な受け入れ態勢が整っておりませんが、順次より学び易い体制に変えていくことを試みております。 さらに、地域連携課題や国際共同研究、海外からの留学生との交流など、幅広い経験と高度な学識を体得していただける環境を整備していきたいと考えておりますので、今後とも関係各位のご協力、ご支援をいっそうお願いする次第です。
環境創成学講座主任 教授 松村直人 |
2006年度 |
共生環境学専攻を代表して |
共生環境学専攻のホームページをお訪ねいただき、大変ありがとうございます。 皆様の中には、『専攻』という言葉が聞きなれないと思われる方もいらっしゃるかもしれません。今まで「生物資源学部 共生環境学科」と呼ばれていた私たち教員の組織が、『生物資源学研究科 共生環境学専攻』という、大学院に重点をおいた組織に生まれ変わったのです。詳しくはこのご挨拶の最後にまとめさせていただきますが、まずは私たちの教育と研究の内容について少しご説明させていただきたいと思います。 以上簡単ですが、私たちが大学院大学化して初めて迎えた新しい年度のご挨拶とさせて頂きます。
共生環境学専攻 専攻長 教授 佐藤邦夫 |
地域保全工学講座 |
地域保全工学講座へようこそ 皆様、ごきげんよう。 地域保全工学講座では、「農業土木プログラム」(JABEE;Japan Accreditation Board of Engineering Education)を中核にした教育・研究を推進していますので、とくに次のような人を求め、育てようと考えています。 「人や自然そして社会あるいは生物資源や地域の社会的生産基盤について、 この「求めたい、育てたい」という願いを実行するために、当講座では、講座の学習・教育目標に次のような8項目を立てて教育・研究に取り組んでいます。 □ 「幅広い教養と国際性」:グローバルかつ広範囲な視点に立ち、国や地域ごとに異なる自然や文化を広く認識し、それらが共存・調和できるための自然・社会・人文科学に関する教養を身につけ、個人との関わりを大切にし、国際的に受信・発信できる基礎的なコミュニケーション能力を身につけるための教育・研究。 以上の教育・研究への取り組み姿勢に熱い声援を送ってくださっているのが、数え切れないほど多くの卒業生であり、そして伝統と歴史を持った同窓会があります。 この講座では、関係者一同、築かれてきた教育・研究の永い歴史の中途を歩んでいるものと思い、しかしながら常に新しい時代を直視しながら、決して古くない最先端の地域貢献と人材育成を目指して、日夜奮闘努力しています。
地域保全工学講座主任 教授 成岡 市 |
環境情報システム工学講座 |
皆様、本ウェブサイトへようこそ。 皆様には日頃より当講座の教育と研究に対し温かいご理解とご支援を頂き、心から感謝申し上げます。
環境情報システム工学講座主任 教授 陳山 鵬 |
森林資源環境学講座 |
森林は地球環境の維持に大きな役割を果たすと同時に、再生可能な資源として人間の生活に必要な資材を提供しています。さらに、国土保全・水源涵養・気象条件の緩和などの環境調節ばかりではなく、森林が形成する緑地空間や木材を豊富に使った建物がそこに居住する人間に精神的なやすらぎを与えるなど、森林は物心両面で私たちの生活に貢献しています。 ところで、世界的に見ると森林面積は陸地面積の約30%ですが、日本は国土の67%が森林で覆われています。たいへん森林資源に恵まれた国です。テレビのニュース映像を見ていると、樹木がほとんど見られない国が多いことに気がつくでしょう。三重大学の森林資源環境学講座では、この恵まれた資源を末永く保護し、かつ有効に利用していくために数学、物理、化学、生物といった基礎科学の知識とともに社会学や経済学などの社会科学、あるいは土木、建築、応用化学などの工学の知識も総動員して研究を行っています。 森林資源環境学講座はとても間口が広く、奥行きのある講座ですから、入学後じっくり自分の適性にあった研究室を選択することができます。研究室分属後は、それぞれの専門教育が充実していますので、将来の職業に対する展望が開けてきます。 森林は地球環境や人間の健康な生活と密接な関連がありますから、将来さらに森林資源環境学講座の重要性が増していくと考えています。 1) フィールドでの樹木や植物の生態観察、植物の生理作用に興味がある。
森林資源環境学講座主任 教授 齊藤昌宏
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自然環境システム学講座 |
私ども,自然環境システム学講座のご案内をさせていただきます.我々の講座では,環境科学というキーワードで結ばれた5つの分野(大学の基礎的単位)が,教育研究を行っています.つまり,「地球環境気候学」「海洋気候学」「水域環境学」「緑環境計画学」「環境解析学」です.それぞれの分野で何を研究しているか,教育研究しているかを,教員紹介のページ(http://www.bio.mie-u.ac.jp/kyoukan-list.html)をじっくり眺めて下さい.まず,各教員の名前をクリックします.出てきた教員紹介のうち,特に重要なのは「所属学会」と「主な業績等」です. 最近のweb技術の発達で,色々な組織が,自己PRを,非常に綺麗に行なうようになってきました.しかし,そのPRが足りないからか,もしくはPRが過ぎる故なのか,毎年,どこの大学・学部・学科・講座・分野でも,「自分のやりたいことはこういうことではない」という学生が出てきます.お恥ずかしい話ですが,当学科にも,当講座にも,過去にそういう人がいました(もっとも,大抵は,途中で教育内容に満足していただくようになっています). 「所属学会」を見ると,各教員のカヴァーする大雑把な学問分野がわかります.その大雑把な学問分野から外れた教育を受けるのは,デフォルトではないということになります.また,大学は,過去脈々と語り継がれてきた,10年前,20年前の研究成果の紹介をするだけの場所ではありません.最新の(できれば教員自身の)研究成果を併せて指導するところです.そのためには,研究業績が必要です.また,その分野に所属したらどういう研究が行えるか,各教員の業績から判断できます. 最後に,「他の3講座と違って,なぜ,『日本技術者教育認定機構(Japan Accreditation Board of Engineering Education: JABEE)認定プログラム』の紹介がないのか?」というご質問をよくいただきますが,我々の講座を志望する学生にとっては,それを用意するメリットがないと考えている,というのが,主な理由です.もちろん,他の3講座においては,この制度が十分機能していることは,言うまでもありません.
自然環境システム学講座主任 教授 葛葉泰久
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共生環境学専攻 博士後期課程(博士課程) |
環境保全学講座 |
ご挨拶 環境動態保全学 地域災害管理学 環境総合解析学
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環境創成学講座 |
ご挨拶 当大学の生物資源学部は、昨年度に部局化が認められました。誤認を覚悟でわかりやすく申しますと、部局化とは大学院を中心にした教育研究体制のことです。博士課程の体制もしたがいまして平成18年度には刷新されました。今年には、その新しい内容をここに紹介することになります。 環境創成学講座では、安全・安心で持続可能な次世代社会に資する研究を行うことを目標として、理論と基盤技術の研究教育を行います。 「環境シンクタンク」、「地域防災」、「環境ボランティア」などを専攻全体の共通テーマに掲げ、地域との連携および産学官連携を重視しながら、高水準の教育研究レベルを維持することにより、安全で安心、なおかつ持続可能な次世代社会を創世することを目指します。 当講座には3つの教育研究分野がありますが、それぞれの名前とテーマは次のようです。 ■ 循環系物質創成学 教育研究分野 ■ 環境情報システム創造学 教育研究分野
本年度に入学した学生からはこういった新しい研究分野のいずれかに所属して学習や研究を行うことになります。このあいさつ文を読まれている方々全員のご支援、ご協力をお願い致します。 環境創成学講座 主任 教授 加治佐隆光 |
2005年度 |
新年度のご挨拶
学科を代表して |
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地域保全工学講座 |
かつて,水不足の問題がほぼ解決して,公害問題に社会的問題に推移してきた頃には,人体に直接的に関わることが環境問題として大切でした.そして,そこでは私たちの求める答えが明瞭でした.要するに,きれいな空気ときれいな水が欲しかったのです.そして,化学的指標や物理的指標が登場し,私たちの暮らしを守るものさしとして大いに役立ちました.ここで理想的な水といえば,蒸留水のように全く不純物のない水のことでした.
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環境情報システム工学講座 |
拝啓 みなさまにおかれましては、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。 当環境情報システム工学講座は、平成12年、共生環境学科発足とともに設置されました。共生環境学は人、植物、動物が関わる環境に関するいまだ未知の世界について、その学問的体系を構築しながら教育研究を行うことを目的としていますが、その中でも、当環境情報システム工学講座においては植物、動物など生物の生理生態を基礎として、機械、情報、システム工学を融合させ、新しい共生環境学の構築に貢献することを目的としています。 大学における一連の学部教育のなかで、学生のみなさんは、広い範囲の教養知識に加えて、将来役立つようなある分野の専門的知識や新しいシステムを創造する力を身に付け、さらに、先端的研究にも教員とともに参加し、その成果を社会に発表するまでを、行う必要があります。当講座では、エネルギー、生物生産に関わる装置や機器、人間を支援するシステム、装置の信頼性などをキーワードに、専門教育と先端的かつ地道な教育研究に取り組んでおります。 卒業生は、多くの民間企業、官公庁で大学にて得た専門知識を活かして活躍しており、また、さらなる研究スキルを身につけたい方には、大学院修士課程、博士課程もあります。また、短期大学・高等専門学校などからの3年次編入学や、他大学、高等専門学校専攻科および社会人の大学院入学、官公庁、民間企業様からの共同研究制度などを整え、社会情勢に柔軟に対応することを心がけています。 みなさまと共に共生環境学・環境情報システム工学を創り、社会に貢献したいと考えておりますのでよろしくご支援をお願いいたします。
環境情報システム工学講座主任 教授 村上 克介 |
森林資源環境学講座 |
森林資源環境学講座主任 教授 徳田 迪夫
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自然環境システム学講座 |
自然環境システム学講座では,我々の社会の持続的発展と環境保全を両立するために,理学,農学,工学など,さまざまなScience を駆使し,相性の良い「社会システム」と「(自然)環境システム」を如何に作るかということを考えています. 自然環境システム学講座では,気候・気象学,海洋学や水文水理学,それに緑環境計画学(林学),景観設計学,その他さまざまな分野における教育・研究をしています.研究対象は,地球,大気,河川,海洋,森林など多岐にわたっています.手法的には,観測,実験,計算,理論,など,色々な手法を用いた研究を行っています.コンピュータによる気象予報やGISなどの先進的手法も普通に使っています.このように,研究のアプローチ,研究対象,そして研究成果がバラエティに富んでいるのは,教員が,農林系だけにとどまらず,広く,理学系(地球環境系,気象系,海洋系),工学系(水工水理系)も含んだ構成になっていることも一因となっています.もちろん,学生には,専門分野の広さを生かして,さまざまな教育研究メニューを提示しますし,気に入ったものを見つけた後には,そのテーマを深く追求することを,専門家がサポートします. 自然環境システム学講座主任 教授 葛葉泰久 |
2004年度 |
新年のご挨拶 2005.1
学科を代表して |
在学生の皆様へ 共生環境学科長 関根義彦
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地域保全工学講座 |
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環境情報システム工学講座 |
皆さん、明けましておめでとうございます。
昨年は地球環境の変化が顕在化してきた一年でした。これからはどのような社会・産業分野においても、環境を考慮した活動をしなければ、社会的に受け入れてもらえません。 私ども「環境情報システム工学講座」は、「共生環境学科」にあり、自然・環境と共生しつつ社会活動を行うための技術を、情報工学、およびシステム工学を主な手法として教育・研究します。従って、環境を計測することにとどまらず、環境にやさしい社会を創生するための学問を取り扱います。 この講座では、教育・研究の対象が限定されておりません。生物・資源や環境・エネルギーに関連することであれば、何を対象とすることも自由です。その代わり、自然や環境と共生するためにいかなるシステムを創り出すのか、その「創造力」に主眼を置いた教育・研究を行うことができます。 皆さんは今、いろいろな学問分野を目の前にして、どの分野に進もうかと迷っておられるかもしれません。私たちの分野で、情報工学やシステム工学に根ざした「創造力」を培い、真に社会の役に立つ人になりませんか。社会、特に資源の少ない日本では、この分野の「創造力」を必要としており、皆さんの進む道はおおいに開けています。 受験生の皆さんは、今、いろいろな科目の総仕上げに大変忙しい日々を送っておられることと思います。楽しく、有意義な大学生活を念頭に置きつつ、体に気をつけてがんばってください。4月には「共生環境学科」で皆さんとお目にかかれることを願っております。 環境情報システム工学講座主任 教授 佐藤邦夫 |
森林資源環境学講座 |
森林資源環境学講座主任 教授 林 拙郎
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自然環境システム学講座 |
明けましておめでとうございます。 共生環境学科“自然環境システム学講座”は生物資源学部の中で唯一、海の底から山を越え、遙か空までの環境を総合的に研究することができる講座です。 5つの教育研究分野(地球環境気候学、海洋気候学、水域環境学、緑環境計画学、環境解析学)から構成される本講座は、地域レベルと地球レベル、人間的視野からと自然環境的視野から、という両方の観点から地球の環境システムにおける各サブシステム(大気、気候・海洋・陸・土壌・水域・森林)を物理的・化学的・生物的・数学的に学習し、情報の管理・解析に関する技術を身に付けることを目的としています。このように自然環境に関する基礎を学ぶことにより、現代における合理的かつ持続可能な自然資源の利用・自然環境の保全・保護に役立つ知識を得ることができます。 “自然環境システム学講座”の教育方針は、ただ知識の習得だけではなく、応用・実践に向けた教育研究活動も積極的に取り入れています。三重大学所有の「演習林」および三重県各地においての現場調査と各種の測定器・解析器を用いた観測、また、伊勢湾および太平洋での「練習船」を用いた大気と海洋の観測、さらにはリモートセンシングデータのコンピュータ解析を行います。これらは、レベルの高い観察力・技術力を身につける上で最高のチャンスとなります。 本講座教員は、しっかりとした知識を持った上で、自然資源の持続可能な利用、地域環境・地球環境の保全・保護に貢献できる、リーダーシップを担うことのできる人材育成を目指しています。 この講座で学ぶであろう皆さんは、地球を構成しているサブシステムの構造・仕組み・働きの自然科学的な理解にとどまらず、日本を始め世界各地、特に東南アジア・アフリカ・中南米における、地球環境システムと人間活動の相互作用をも深く理解・研究し、人類が今直面している様々な環境問題(大気・水・土壌汚染、温暖化、砂漠化、森林破壊、気候変動、水資源管理など)における総合的な知識・理解を深め、自然と共生できる環境に優しいライフスタイルを私達と一緒に探っていくことができます。 自然が大好きで、自然環境の観測・調査に興味があり、その理解を深めたい、そして、環境にやさしい生き方に貢献したいという皆さんの思いを“自然環境システム学講座”で実現させましょう。皆さんが共生環境学科の新入生として入学されることを楽しみにしております。 自然環境システム学講座主任 教授 SANGA-NGOIE Kazadi |