我々のせいで,どんどん減ってしまっている魚たちを,どうやったら増やすことができるのか?
・養殖して放流する?
・減少要因を解明して改善する?
・増えやすい条件を整える?
・人間活動による影響を減らす方法を考える?
などなど・・・・・・・
どうすればよいのか?最善の方法はケースごとにさまざまでしょう。魚類増殖学研究室では,魚たちの側から,魚を増やすための研究を行います。主なテーマは下記の通りです。
魚類相・生息状況の把握
その魚が海や川や湖で今どういう状況にあるのか。それが分からなければ,始まりません。
魚の生態・生活史の解明
その魚が何を食べてどれくらい生き,その間にどれくらい成長し,どのようにしてどれくらい子供を残すのかと言った魚の一生(生活史),またその生き方や習性(生態)を知らなければ,何故減ったのか,どうしたら増やせるのか,調べようががありません。
外来魚の生態解明,影響評価
外来生物(元々いない所に入ってきた生物)は,入った先の生物を減らす大きな要因です。それは魚の世界でも同じです。外来魚を調べることにより,在来魚(元々そこにいた魚)にどんな影響を与えているのかが分かります。
外来魚の駆除・管理技術の開発
外来魚の駆除は,魚を始めとする在来の生物の回復を目的として行われるものです。そのためには「外来魚がたくさん捕れればそれで良い」というわけにはいきません。その捕り方で在来魚の方がたくさん捕れてしまったり,環境を悪化させるようなやり方では本末転倒です。外来魚の生態を利用して,環境に優しく,外来魚だけを減らすことのできる駆除技術を開発することが必要です。
クジラやイルカの生活を調べる
三重大学の前には、伊勢湾がひろがっていますが、そこには、小さなイルカ、スナメリが生息しています。また南の熊野灘には、マッコウクジラをはじめ20種近くのクジラやイルカが来遊しています。魚ではありませんが、そうした海の大型動物についても、その生活のしかたや生態について調べています。
クジラやイルカの内分泌学と人工繁殖技術の開発
クジラやイルカも私たちと同じ哺乳類で、その生理機構の多くは、ホルモンによって制御されています。かれらのからだのなかにどんなホルモンがあって、それがどのように作用しているのか、その基礎を探ります。また、この研究の応用として、飼育下でイルカを繁殖させるための人工授精や精子の凍結保存に関する研究もしています。
(2006年3月1日)
実際に,どんな研究を行っているのかについては,「
博士・修士・卒業論文一覧
」や
研究業績(論文・口頭発表)
」を是非見てください。
※中学・高校生のみなさんや一般の方々にも我々の研究室の概要を知って頂けるよう,専門用語を極力使用せず平易な表現を用いています。そのため,学術的には正確でない部分もあるかも知れませんが,ご理解下さい。
食べたり,釣ったり,鑑賞したり・・・。私たちは魚が大好きです。
しかし,近年,海や川や湖の魚はずいぶん減ってしまいました。その原因は,汚染などの環境悪化であったり,乱獲であったり,外来生物の侵入であったりとさまざまですが,多くの場合,我々人間の活動が要因になっています。