霜柱は地中の水が凍ってできるもので、大気中の水が凍ってできる霜とは生成機構が異なります。
夜間から明け方にかけて地表面が冷やされると、温度勾配によって地中から水が地表面に向かって移動します。この水が地表面で凍り、成長したものが霜柱なのです。霜柱は頭に土粒子を載せているのに特徴があり、温度、土質、水分条件によって大きさや成長速度が異なります。よく探して見れば、丈が10cm以上にも達した霜柱を見つけることができるかも知れません。
ところで、氷の結晶は六角柱をしています。これは雪の結晶の形を思い浮かべてもわかると思います。この六角柱の底面(Basal)方向をC軸、柱(Prism)面方向をA軸とよび、それぞれの方向への成長速度は温度や水分供給量によって異なります。
霜柱が成長する温度条件では一般に、氷結晶の成長速度はA軸方向が卓越します(六花の雪の結晶のうち一本の腕ばかりが伸びているような状態)。また、霜柱の太さは、成長面の水道の太さ(土粒子の間隙の大きさ)や冷却速度に依存します。これらの結果、氷が一本一本の細い柱として成長し霜柱を形作るのです。
霜柱は火山灰土、シルト質土など凍上性の高い土によく見られます。たとえば、関東ロームなどは特に霜柱ができやすい土と言われています。霜柱は日本では古くからなじみの深いものであり、昭和初期からいくつかの研究例が見られます。中谷宇吉郎先生の「「霜柱の研究」について」を見つけたら、一読してみることをお薦めします。
写真は北海道・川湯温泉郷にて見かけた丈5cm程度の霜柱。下の写真は岩の上にできており、少し珍しいものです。1997年2月24日撮影。