フロストボイル (frost boil, mud boil)



 永久凍土地帯の地表に見られる非淘汰型円形構造土です。コケ等の植生の中に、細粒土の領域(直径50cm程度)が見られます。細粒土の領域にはほとんど植生は見られません。土中下層の細粒土(粘質土)が凍結作用によって被圧され、湧き出したものと考えられています。永久凍土地帯でよく見られる構造土ですが、永久凍土地帯以外でも観察された例もあります。
 下右の写真の様に凍結割れ目近くに見えることが多く、土壌凍結期に生じる活動層内(永久凍土地表の夏季融解層)の被圧とアイスウェッジの形成の間に何か関係があるのかも知れません。
 フロストボイルに関する詳しい説明、フロストボイル土壌の内部の状態、温度分布、硬度分布、土質等、断面観測の結果についてはこちらをご覧ください。
 写真はいずれも1997年8月及び1998年8月にTiksi, Russia近郊のツンドラ湿地地帯で撮影したもの。





戻る