環境施設工学ってなんでしょう?
Q:物理にがてだけど大丈夫ですか?
⇒A:大丈夫です.入学してから,授業が充実しています.高校で生物選択の人も多いです.
Q:就職率はどうですか.
⇒A:就職率は良く,就職先は公務員が多いですが,民間もあります(当ホームページの就職状況)
Q:男女比率はどうですか
⇒A:男性ばかりのイメージですが,むしろ女性のほうが多いくらいで在籍しています.
環境施設工学は、農業を下から支えている学問です。環境施設工学研究室では、農業を支えるための農業施設と、それに必要なコンクリートなどの材料や、農業用施設の施工方法、農業用施設の維持管理法などを研究対象にしています。
対象施設:ダム・頭首工・水路・道路・橋梁
材 料:コンクリート・新材料(ジオポリマー)・天然材料(石材、カキ殻や籾殻)・工業残滓(スラグ)
施工方法:遮熱性舗装、石垣施工
維持管理:ストックマネジメント・劣化診断法・災害復旧制度
でもどうしてこのような研究を行う必要があるのでしょうか?
いくつかの視点で考えてみます。
いいえ。
農業には、作物が育つ土と水が必要です。
特に、水田では大量の水を使いますが、その水は川から引いてきます。
・どの地点で川から水を取り、
・どのようなルートで、
・いかに公平になるように、
・最末端の田んぼまで確実に
水を引くことは、とても難しいことです。
これを考えるのが環境施設工学です。
→ 川から水を取るための堰(頭首工)
→ 地形や地質を考えて、時には、川を渡る水路
→ 公平に水を分ける装置(分水工)
→ 農家が使いやすい水路
全ての段階で適切な施設を作らなければ水は末端までとどきません。
いいえ。
新しく作る場合も、作り直す場合も、壊れたところを直す場合も、もっと強くする場合も研究が必要です。
農業用施設に限らず、土木施設を良く見てみましょう。
一つとして同じものはありません。
用途、周りの環境などで同じ土木施設でも形や大きさが違います。土木施設はすべてオーダーメイドなのです。
ですから、
・新しく作る場合は、地面の状況、水の量、を調査把握して作る必要があります。
・できた施設も年とともに劣化していきます。その劣化の様子も一つ一つ異なります。
・折角作った施設ですので、直しながらできるだけ長く使うよう工夫しなければなりません。
今まで作られた水路や道路が充分あれば、それだけ研究することも増えるのです。
できます。
自然破壊の象徴ともとらえられるコンクリートですが、コンクリートで環境保全に取り組むことも可能です。
水を通すコンクリート、植物が生えるコンクリート、土にかえるコンクリート、自己治癒するコンクリートなど環境に配慮したコンクリートはすでに開発されています。
また、環境施設工学研究室では、
・ヒートアイランド現象を緩和させる舗装の研究
・コンクリートにCO2をためて温室効果を抑制する研究
・工業廃棄物を練りこんだコンクリートで廃棄物を出さないようにする研究
なども行っています。
コンクリートという材料の可能性はまだまだ大きく、研究の余地はたくさんあります。