2024年7月18日(木)に「2024環境農林水産フォーラム」(於 熊野市文化交流センター)を開催しました。
このフォーラムは、JST COI-NEXT「紀南オープンフィールド構想によるみどりのアントレプレナー共創拠点」等との共催により開催し、三重県紀南・東紀州地域の自治体、企業、団体等職員ほか高校生を含め多くの方にご参加いただきました。
気候変動下での未来の紀南・東紀州地域の農林水産業を考えると題し、第1部として講演の部として本研究科 松村 直人 研究科長の挨拶で開始しました。研究科・学部の紹介、大学を取り巻く動向、紀南・東紀州地域における今後の地域共創の展望について、講演しました。
松村直人 生物資源学研究科長
続いて、本研究科 岡島 賢治 教授より、共創の場形成支援プログラムの概要の紹介について、講演しました。
生物資源学研究科 岡島賢治 教授(JST COI-NEXTプロジェクトリーダー)
続きまして、本研究科 立花 義裕 教授より、『沸騰する地球で異常気象がニューノーマルに、春と秋が消え「二季」に』というタイトルで講演しました。冒頭、気候危機への無関心層へ警鐘を鳴らし、世界中の海水温が上昇しており、日本近海の水温も例外でないこと、黒潮の大蛇行や偏西風の蛇行について解説され、夏が長くなっていることについて紹介がありました。
生物資源学研究科 立花義裕 教授
続きましては、農業・林業・水産業の現場における気候変動への対応と称しまして、農業・林業・水産業の各見地からご講演を頂戴しました。
はじめに、農業分野より、丸山みかん農園 丸山 俊明 氏にご講演いただきました。
気候変動が農業に与える影響のほか、対応策として様々な柑橘類を栽培することによるリスクの分散などを例にご講演いただきました。
丸山みかん農園 丸山 俊明 氏
次に、林業分野より、尾鷲市水産農林課 課長 芝山 有朋 氏よりご講演いただきました。 尾鷲市のゼロカーボンシティ宣言に触れられ、二酸化炭素の吸収に対する取り組みや、人と自然との共生社会を実現するための仕組みづくり等ご講演いただきました。
尾鷲市水産農林課 課長 芝山 有朋 氏
最後に水産業分野より、JF鳥羽磯部漁業協同組合 戦略企画室 室長 小野里 伸 氏よりご講演いただきました。日本の水産業の現状について説明されるとともに、生物は環境には逆らえないゆえにどうすべきかという対策について解説され、新たに採れるようになった魚を食用として活用することや、陸上養殖に多くの異業種からの参入があること等ご講演いただきました。
JF鳥羽磯部漁業協同組合 戦略企画室 室長 小野里 伸 氏
第1部に続き第2部では高校生対象のワークショップを開催しました。第1部の講演での農林水産業の課題を踏まえ、大学生と共に将来の農林水産業の在り方を考える場となりました。
グループごとに農業・林業・水産業の各分野のテーマに分かれ、自分たちで課題を見つけ、課題解決後の将来像・解決策を考え、解決策を実行するために必要な研究を考えました。
大学生と共に将来の農林水産業の在り方を考える高校生の皆さん
最後にグループごとに発表を行いました。 グループワークでは活発に意見等が交わされ、紀南・東紀州地域の未来の共創に大いに期待ができる時間となりました。
関連リンク
紀南オープンフィールド環境農林水産フォーラムが開催されました 全学サイト
「2024環境農林水産フォーラム」を開催しました 環境農林水産フォーラム:アーカイブ