三重大学大学院生物資源学研究科・生物資源学部の祖である三重高等農林学校、三重大学農学部および三重県立大学水産学部、三重大学水産学部時代の貴重な写真や資料を紐解き、大正時代から連綿と受け継がれる本研究科の歴史を振り返りたいとおもいます。
── 青雲の志に燃えて三翠の丘に集ひ来つた吾々も早や四星霜の年月を経て今春三月卒業の運びとなつたことはまづはめでたいことでありませう、
青春の思ひ出幾多のエピソードを秘めた学び舎を去り友愛の情をあたためあつた学友と別れるというふことは忍びがたいものでありませう、
例へ別れようとも心は一つその固い団結の力をもつて波荒き社会を乗切らうぢやありませんか。
卒業と云ふと少しおゝげさですがこの言葉は一つの過程を終へたと云ふ意味に過ぎないと思ふのであります、 人生の道はこれからです、各自が自分の信ずる道を力強く生きゆこうではありませんか。
── 二十年後或は三十年後に青春の学び舎をしのぶよすがともなれば幸であります。
「三翠 1955 あとがき」より抜粋。