この度,令和2年度の科学技術振興機構(JST)戦略的創造研究推進事業(CREST) 「ゲノムスケールのDNA設計・合成による細胞制御技術の創出」に, 竹林慎一郎准教授が参画するグループの研究課題「潜在的不安定性から読み解くゲノム設計原理」が採択されました。
「戦略的創造研究推進事業」は,国が定めた方針の下で戦略的な基礎研究を推進し,社会・経済の変革をもたらす科学技術
イノベーションを生み出す,新たな科学知識に基づく革新的技術のシーズを創出することを目的としています。
文部科学省の選定した戦略目標「ゲノムスケールのDNA合成及びその機能発現技術の確立と物質生産や医療の技術シーズの創出」の
もとに,研究領域「ゲノムスケールのDNA設計・合成による細胞制御技術の創出」は,平成30年度に発足しました。
理化学研究所の平谷伊智朗チームリーダーと竹林准教授の共同研究グループは,
この領域においてゲノム安定性の人為的制御を可能にする基盤技術の構築などを推進します。
高等真核生物のゲノム構築原理を理解するためにはcis(ゲノム配列)とtrans(結合タンパク質)
の両面からアプローチする必要がありますが,竹林グループはこのうち主にcis(ゲノム配列)が支配する分子基盤を
明らかにすることを目指します。ゲノム構築の基盤となる未知の機能配列を同定することは,
遺伝子発現のみならずDNA複製・染色体分配・組換えといった細胞の基本的機能を最適化した新しいゲノムを設計し直すという,
将来のゲノム合成を見据えた先駆的な取り組みであると言えます。
また,このような未知のゲノム機能の効率的で正確な同定・評価を促進していくための新しい技術の開発も同時に進めます。
誠におめでとうございます!