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日本の農業土木学教育は2021年に三重大学において100年を迎えます。

〒514-8507 三重県津市栗真町屋町1577

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三重大学農業土木教育の歴史History

1921年!日本初、農業土木学科誕生!!

三重大学における農業土木学の歴史は古く、三重大学の前身の1つである三重高等農林学校が開校された1921年まで遡ることができる。

当時、国の基幹産業である農業の教育において、農業の特質を理解しつつ土木工学を適切に活かす専門技術者の育成は喫緊の課題であったにもかかわらず、農業土木を教育するところとしては、東京帝国大学と東京農業大学に講習会的なものがあるのみであった。これをうけ、三重高等農林学校は、1921年12月の学校設置において学校の特色ある教育として、専門学校および大学校でも始めて独立した1正科として農業土木科を特設した。

三重高等農林学校が独創した農業土木科は、農業土木学に関する知識、技能を授け、優秀な技術者を養成することを目的とした。この当時の教育科目は、現在に至るまで一貫して農業土木教育の基礎となっている。

そして、当時より卒業生は都道府県の農業土木系、土木系双方の部署への就職者が多い。

また、1923年には、現在農業土木分野の同窓会である三翠志登茂会の前身となる三重高農農業土木学会が発足し、1924年から現在に至るまで機関紙「志登茂」を発行し会員相互の親睦を図っている。

◆三重高等農林学校 大正 10 年(1921年 〜1949)(3年制 1年3学期 1学科 40 名)
農業土木学科
必修:修身、体操、英語、数学、物理学及気象学、植物学及植物生理学、化学、幾何学、鉱物学及地質学、経済学、法学通論、応用力学、応用水理学、測量学、材料及施工法、道路及橋梁、農業水利学、耕地整理論、設計及製図、実験実習、計算演習(計画演習)、農業機械学、原動機及揚水機、作物学、園芸学、土壌学及肥料学、農業経営学 農政学、農業土木法規

随意:林学大意、行政法大意、植民政策、独逸語

教員:河合隼人(T11 〜 S12)、松田俊政(T12 〜 S15)、千種虎正(S5 〜 S13)、


三重大学農学部農業土木科発足!

三重高等農林学校における農業土木学は、1941年に定員数を80名と拡充し、1944年三重農林専門学校農業土木科を経て、1949年三重大学農学部農業土木学科として新たな一歩を歩み始めた。

◆農業土木学科6講座(40名)(1949年〜1964年)
第一講座 農業気象学、土壌理学、農業土木実験、応用数学
第二講座 農業水利学、農業水利設計製図、農業土木実験、農地保全学、農業土木学大意、陸水学
第三講座 農地造成学、農地造成設計製図、干拓特論、耕地整理論、農業土木法規
第四講座 農業造構学、農業造構設計製図、コンクリート工学、土堰堤特論、道路及橋梁論
第五講座 農業機械学(T)、農業機械学(U)、農産製造機械学、農業機械実験、農業機械設計製図、機械工学
第六講座 揚水機及原動機、土木材料及施工法、農業土木実験、農業土木機械論、金属機械学、機構学


わが国の食糧増産を目指して

三重大学農学部は1964年に農学部総合農学科を廃止して農業機械学科を設置した。これにより農業土木学科第五講座(農業機械学)が農業機械学科へと移り、総合農学科第三講座(営農工学U)が農業土木学科へ移り農業施設学講座となった。また、1965年にカリキュラムの大改正が実施されてコース制が導入され、三重大学農学部農業土木学科は、三重大学農学部農業土木学科農業土木学コース6講座となった。

◆農業土木学科農業土木学コース6講座(40名)(1965年〜1986年)
第一講座      → 農業物理学講座
第二講座      → 水利用学講座 
第三講座      → 土地利用学講座
第四講座      → 土木構造学講座
(第五講座 → 農業機械学講座として農業機械学科へ移動)
第六講座      → 土木施工学講座
総合農学科第三講座 → 農業施設学講座


三重大学生物資源学部開始

三重大学農学部は1987年水産学部を統合改組し、三重大学生物資源学部となった。生物資源学部発足により1学部1学科となり、農学部農業土木学科農業土木学コースは生物資源学部農業土木学コースとして改組された。また講座は教育研究分野となり、名称変更とともに新たに地域資源利用学教育研究分野を新設し、7つの教育研究分野で構成された。

◆ 生物資源学部農業土木学コース7教育研究分野(50名)(1987年〜1999年)
農業物理学講座   → 農業物理学 教育研究分野
水利用学講座    → 水利用学 教育研究分野
土地利用学講座   → 土地利用学 教育研究分野  
            地域資源利用学 教育研究分野
土木構造学講座   → 構造設計学 教育研究分野
土木施工学講座   → 土木材料・施工学 教育研究分野
農業施設学講座   → 農業施設学 教育研究分野


地域保全工学として

三重大学農学部は2000年改組により、三重大学大学院生物資源学研究科は資源循環学専攻、共生環境学専攻、生物圏生命科学専攻を設置した。これにより、生物資源学部農業土木学コースの教育研究分野は、農業土木学系の教育研究分野として、生物資源学研究科共生環境学専攻地域保全工学講座の5教育研究分野を核としながら、共生環境学専攻自然環境システム学講座に2教育研究分野、資源循環学専攻物質循環学講座に1教育研究分野へと発展的拡大し、専攻、講座をまたがる構成となった。また、地域保全工学講座は、2014年新たに国際環境保全学教育研究分野を新設し6教育研究分野となった。

◆ 生物資源学部農業土木学関連9教育研究分野(2000年〜2014年)
(括弧なしは、共生環境学専攻地域保全工学講座)
農業物理学 教育研究分野    → (土壌圏循環学 教育研究分野(資源循環学専攻物質循環学講座))
水利用学 教育研究分野     → (水域環境学 教育研究分野(共生環境学専攻自然環境システム学講座))
土地利用学 教育研究分野    → 田園計画学 教育研究分野
地域資源学 教育研究分野    → 水資源工学 教育研究分野
構造設計学 教育研究分野    → 土資源工学 教育研究分野
                 (環境解析学 教育研究分野(共生環境学専攻自然環境システム学講座))
土木材料・施工学 教育研究分野 → 環境施設工学 教育研究分野
農業施設学 教育研究分野    → 流域保全学 教育研究分野
国際環境保全学 教育研究分野(2014年度新設)


農業農村工学分野として再出発

三重大学生物資源学部は2015年講座名称および教育コースの変更により、農業土木系教育研究分野の核であった生物資源学部共生環境学科地域保全工学講座は講座名を農業農村工学講座と名称変更し、教育研究分野の再構成が行われた。
以上のような変遷をたどりながら、三重大学では三重高等農林学校から一貫して農業土木学をルーツにもつ教育研究分野が脈々と継承されている。農業土木学プログラムは、共生環境学専攻農業農村工学講座の教育研究分野を中心に農業土木学関連教育研究分野にとどまらず、2016年に新設されたFuture Earth学教育研究分野を核に共生環境学専攻のすべての教育研究分野とも連携をとりながら教育をおこなう教育プログラムである。

◆ 生物資源学部農業土木学関連11教育研究分野(2015年〜2017年)
(括弧なしは、共生環境学専攻農業農村工学講座)
(土壌圏循環学 教育研究分野) → 土壌圏循環学 教育研究分野
                 (土壌圏システム学(共生環境学専攻地球システム学講座))
(水域環境学 教育研究分野)  → (水環境・自然災害科学 教育研究分野(共生環境学専攻地球システム学講座))
田園計画学 教育研究分野    → 応用地形学 教育研究分野
水資源工学 教育研究分野    → 水資源工学 教育研究分野
土資源工学 教育研究分野    → 土資源工学 教育研究分野
(環境解析学 教育研究分野)  → (環境解析学 教育研究分野(共生環境学専攻地球システム学講座))
環境施設工学 教育研究分野   → 環境施設工学 教育研究分野
流域保全学 教育研究分野    → 農地工学 教育研究分野
国際環境保全学 教育研究分野  → 国際環境保全学 教育研究分野
                 Future Earth学 教育研究分野(2016年新設)

農業土木学分野として原点回帰

農学部から生物資源学部への学部再編により、地域保全学、農業農村工学と名称を変更してきましたが、2018(平成30)年度、「農業土木学」に原点回帰致しました。

◆ 生物資源学部農業土木学関連6教育研究分野(2018年〜2019年)

応用地形学 教育研究分野
水資源工学 教育研究分野
土資源工学 教育研究分野
環境施設工学 教育研究分野
農地工学 教育研究分野
国際環境保全学 教育研究分野

◆ 生物資源学部農業土木学関連7教育研究分野(2020年〜)

応用地形学 教育研究分野
水資源工学 教育研究分野
土資源工学 教育研究分野
環境施設工学 教育研究分野
国際環境保全学 教育研究分野
土壌圏循環学 教育研究分野
土壌圏システム学 教育研究分野



バナースペース

農業土木学講座
産学官民連携実績

(官)三重県農林水産部
   農業基盤整備課
学官連携協議会(2004年〜)


(民)水土里ネットみえ
学官連携協議会(2004年〜)


実践農業土木学(旧称:実践農業農村工学)(非常勤講師)(2004年〜)
(官)農林水産省東海農政局
(官)三重県農林水産部
(官)愛知県農林水産部
(官)三重県県土整備部
(官)津市教育委員会
(民)三重県水土里ネット
(民)愛知県水土里ネット
(産)三祐コンサルタンツ
(産)NTCコンサルタンツ
(産)若鈴コンサルタンツ
(産)清水建設
(産)鹿島建設


農業土木学キャリアアップ演習(旧称:農業農村工学キャリアップ演習)(非常勤講師)(2011年〜)
(官)国土交通省中部地方整備局


(官)農林水産省東海農政局
   農村計画部・整備部
連携・協力協定(2016年〜)


(団体)(独)水資源機構
   中部支社
連携・協力協定(2016年〜)
(水資源管理・施設分野)


(産)(一社)農業土木
   事業協会
連携・協力協定(2019年〜)


(団体)(公財)三重県建設
   技術センター
建設技術研修への協力