果樹研究室
研究テーマ 1.ウンシュウミカンの水管理技術の開発
ミカン果実の味を決める要点は水管理である。夏後半から成熟期までを乾燥させることで美味しいミカンに仕上がるが、どの程度樹が乾燥しているかを非破壊で計測することはこれまで困難であった。そのため期待した品質を得ることができない年や園地が見られた。このような問題を解消するために果樹研究室では樹の乾燥程度を非破壊で推測する手法の開発に取り組んでいる。
また、このような樹体水分計測手法を利用した新しいタイプの果実(キクミカン)生産の実証研究を三重県農業研究部などと共同して実施している。
TDR法による枝の
最近の関連研究発表
研究テーマ 2.ウンシュウミカンの花芽形成制御に関する研究
ウンシュウミカンの花芽分化(がく片分化期)
・Hitoshi Okuda, Katsuji Noda, Toshio Hirabayashi and John Yoshimi Yonemoto. 2004. Relationship between floral evocation and bud dormancy in Satsuma mandarin.. Scientia Horticulturae102: 213-219.
(生理的花芽分化の完成期は芽の休眠深度と関係することを報告)
・Hitoshi Okuda,Katsuji Noda,Toshio Hirabayashi and John Yoshimi Yonemoto. 2005. The relatioship between bud dormancy and the fruit maturing period in satsuma mandarin. J. Japanese Soc.Horticultural. Sci.,74(4):342-344
(晩生系統より早生系統の休眠が深いことを報告)
・佐藤景子・杉原巧祐・岩崎光徳・奥田均. 2007. 早期加温型ハウスミカンにおける結果母枝の着花性ならびに枝梢内成分に及ぼすNAAの影響. 園芸学研究 ( 印刷中)
(夏芽発生の抑制効果をもつNAAには結果母枝を充実させ着花を増加させる作用のあることを報告)
上記テーマ以外の最近の研究発表
・Hitoshi Okuda et al., 2008. Emission of N2O and CO2 and Uptake of CH4 in Soil from a Satsuma Mandarin Orchard under Mulching Cultivation in Central Japan. J. Japanese Soc.Horticultural. Sci.(in press)
(温室効果ガスのウンシュウミカン園からの排出を通年で計測、これらガスのマルチ園からの排出が相対的に少ないことを報告