奥田 均

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果樹研究室

研究テーマ 1.ウンシュウミカンの水管理技術の開発

 ミカン果実の味を決める要点は水管理である。夏後半から成熟期までを乾燥させることで美味しいミカンに仕上がるが、どの程度樹が乾燥しているかを非破壊で計測することはこれまで困難であった。そのため期待した品質を得ることができない年や園地が見られた。このような問題を解消するために果樹研究室では樹の乾燥程度を非破壊で推測する手法の開発に取り組んでいる。
また、このような樹体水分計測手法を利用した新しいタイプの果実(キクミカン)生産の実証研究を三重県農業研究部などと共同して実施している。

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TDR法による枝の体積含水率測定風景

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濃厚な味と独特な外観を呈するキクミカン


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液絡系による生体電位の計測例
(国際園芸学会2006)
主幹には求頂的な電位勾配があり、それは規則的に日変化し、環境の変化に反応することが推測できる。



最近の関連研究発表

・奥田 均ら, 2007.水管理の異なるウンシュウミカン樹のTDR法による枝体積含水率の変化 園芸学研究. 6:529-53.
(ウンシュウミカン樹の樹体水分測定手法としてのTDR法の可能性を提言)
・奥田 均ら. 2008. 異なる栽培管理方法で生産されたウンシュウミカンの嗜好性 園芸学研究 7. (印刷中)
(キクミカンの嗜好が非常に強いことを消費者へのアンケート調査により実証)

 

研究テーマ 2.ウンシュウミカンの花芽形成制御に関する研究

ウンシュウミカンの花芽は低温・乾燥刺激を受けることで分化を開始した後、不可視である ものの生理的に変化が起こっている生理的分化の段階と可視な形態的分化の段階を経て完成する。これまでの研究により生理的分化の完成期が年次で大きく変動 すること、それが休眠深度と関連することを見出すとともに、花成を刺激する生育調節剤の作用性は生理的分化の前後で大きく異なることも見出した。
現在は、NAA(ナフタレン酢酸)がウンシュウミカンの花成を刺激することの実証ならびにその作用機作について研究を進めている。

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ウンシュウミカンの花芽分化(がく片分化期)



最近の関連研究発表

・Hitoshi Okuda, Katsuji Noda, Toshio Hirabayashi and John Yoshimi Yonemoto. 2004. Relationship between floral evocation and bud dormancy in Satsuma mandarin.. Scientia Horticulturae102: 213-219.
(生理的花芽分化の完成期は芽の休眠深度と関係することを報告)
・Hitoshi Okuda,Katsuji Noda,Toshio Hirabayashi and John Yoshimi Yonemoto. 2005. The relatioship between bud dormancy and the fruit maturing period in satsuma mandarin. J. Japanese Soc.Horticultural. Sci.,74(4):342-344
(晩生系統より早生系統の休眠が深いことを報告)
・佐藤景子・杉原巧祐・岩崎光徳・奥田均. 2007. 早期加温型ハウスミカンにおける結果母枝の着花性ならびに枝梢内成分に及ぼすNAAの影響. 園芸学研究 ( 印刷中)
(夏芽発生の抑制効果をもつNAAには結果母枝を充実させ着花を増加させる作用のあることを報告)

上記テーマ以外の最近の研究発表

・Hitoshi Okuda et al., 2008. Emission of N2O and CO2 and Uptake of CH4 in Soil from a Satsuma Mandarin Orchard under Mulching Cultivation in Central Japan. J. Japanese Soc.Horticultural. Sci.(in press)
(温室効果ガスのウンシュウミカン園からの排出を通年で計測、これらガスのマルチ園からの排出が相対的に少ないことを報告

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