資源循環システム科学講座

人口が増大を続ける現在,地球の限られた資源の持続的利用が人類に求められている。なかでも食料生産の持続性を維持することは,安全でおいしい食品の供給にとどまらず,地球環境の保全,生物資源の循環において重要な役割を担うことにつながる。

また,地球の陸上における生物資源の約90%が集中する森林では,そこに生育する生物の多様性保全ならびに生育環境の保全,森林から産出される木材や分子素材など生物資源の持続的利用が求められている。本講座では,農業生物学や森林資源環境学を基本として,そこから新たに発展させた資源循環システム科学を様々な視点から追究し,世界的な食料問題の解決や森林の多面的な機能など生物資源の持続的利用や,緑豊かで多様な生物によって成り立つ森林生態系の維持に役立てる方法を探求してゆく。

資源循環システム科学講座の教育研究分野

食料生産科学

当教育研究分野では,安全かつ高付加価値な食料生産機能の開発および生産性の向上や持続的な生産を目的として研究を行っている。研究対象として, イネ,マメ,果樹,野菜などの農作物および家畜を扱い,分野の目的達成のために植物医科学および昆虫生態学も設置されている。機能開発の論理的基礎を確立するために,生態学から分子生物学に至る様々な研究手法を用いて研究を行う。

森林資源環境学

森林は,世界の陸地の約3割を覆い,陸上の生物現存量が9割にも達する巨大な生物群集である。このため森林は,地球環境の維持に大きな役割を果たす。これと同時に,森林は再生可能な資源が生産される場としても重要である。さらに,森林には国土保全,水源かん養,気候緩和などの環境を調節する機能がある。これらのことから,森林は人間の生活に大きく貢献している。我々の教育研究分野では,生態学,植物学,微生物学,土壌学,化学,物理学,情報科学などを基礎にした講義・演習を通して,森林の特性を理解し,自然環境との調和を保ちながら,その資源と多様な機能を持続的に利用する方法を考究するための教育・研究を行う。

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