資源循環学専攻

資源循環学専攻では,持続的な社会の基盤としての生物資源を環境に配慮した方法で循環的に利用するための,技術の開発や新しい社会のデザインをすることができる人材を育成することにより,調和のとれた循環型社会の構築に貢献することを目指している。このため,生物の生命の仕組み,それらの生物を取り巻く環境,生物多様性についての学問を通して,生物資源の持続的利用に関する教育・研究を行う。
主に食料・有用物質等の生物資源利用を教育研究する農業生物学講座,主に森林資源と多様な機能を持続的に利用する方法を教育研究する森林資源環境学講座,社会経済的側面および生産環境技術的側面から生物資源利用を教育研究する国際・地域資源学講座の3つの講座から構成されている。それぞれの講座の教育・研究の内容は以下の通りである。



農業生物学講座

人類にとって農業,すなわち食料生産の営みは必要不可欠である。また,安全でおいしい農産物の供給・環境の保護・生物資源の循環においても農業が重要な役割を担っていることは言うまでもない。この活動をより持続的により良くしていくためには,対象とする動植物の生命現象を明らかにし,深く理解することが必要である。我々の講座では,遺伝育種学,作物学,園芸学,動物生産学,飼料学,植物医科学,昆虫生態学といった農学の考え方を出発点として,そこから新たに発展した生物科学を様々な視点から追求し,世界的な食糧問題の解決や緑豊かな環境の維持に役立てることを目的としている。

森林資源環境学講座

世界の陸地の30%を覆っている森林は,陸上の生物現存量の90%に達する巨大な生物群集である。 このため森林は,地球環境の維持に大きな役割を果たすと同時に,再生可能な資源としても重要 である。さらに,国土保全,水源かん養,気候緩和などの環境を調節する機能があるばかりでなく, 緑の空間が精神的な安らぎを与えるなど,森林は私たちの生活に大きく貢献している。 我々の講座では,生態学,植物学,微生物学,土壌学,化学,物理学,情報科学などの講義・実習や, 附属演習林における実習などを通して,多面的な機能をもつ森林の特性を理解し,自然環境との 調和を保ちながら,その資源と多様な機能を持続的に利用する方法を探求してゆく。

国際・地域資源学講座

国内及び世界の農山漁村において,地域固有の資源を適切に利用し,持続的な社会の実現を目指した教育・研究を行う。具体的には,フィールドワークを重視し,地域資源の持続的利用を実現する社会システムの構築を目指した社会経済的領域と,生物学を基礎とし,国内及び発展途上国を対象とした実践的な地域資源の利用技術領域に関する教育・研究を行う。






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